「GMシボレー正規ディーラー宇都宮・光岡自動車BUBU宇都宮」栃木県宇都宮市・シボレートレイルブレイザー・シボレーアストロ・ハマーH2・3など等、高年式・高品質な車両を取り揃えております。なんといってもアメ車を知り尽くしたスゴ腕メカニックがバッチリメンテナンス!!安心で楽しいアメ車ライフを送るなら、このブログを読むべし!!カリフォルニア直輸入(国内未販売)の車輌も取扱いしております。

« レディーファースト | Main | USトヨタ タコマ と ヒーローのお言葉 »
カーライフ? 2007年02月05日(月)
―序章―



こんなにもふくれっ面をした大人の女性を、私は初めて見たかもしれない。

夏の午後。
記念すべき納車の日、私の横で頬を膨らませているこの女性とは初対面だ。恨めしそうにこちらを見る視線が痛い。なぜこんな事になったのか。話は少し遡る。

2週間前、車を購入することになった。日本では正規販売されていないアメリカ車の中古車だ。
新規車検3年付き。要するに日本では新規登録となる、「元々はアメリカでアメリカ人が乗っていたであろう」車だ。出張で渡米したのが3ヶ月前。2週間ほど滞在していた時に目に付いたのがこの車だった。日本の道路事情を考えると少しだけ面倒そうな大きさの車体と、いかにもアメリカ車然としたデザイン。元来外車になど、と言うか車自体にそんなに興味を持った事が無かったのだが、その車に魅入られた…、と言っては少し大げさかも知れないが、細部まで思い出すことが出来るほどにデザインが目に、エンジン音が耳に焼きついた。

車というものは基本的に家から会社までの移動手段であって、それに対する感慨など一切持ち合わせていなかった。どんな車でも良かったし、実際今まで乗ってきた車は全て適当に選んだり人から安く譲り受けたようなものばかりだった。だから今回購入することになったこの車についても脳の中に情報が一切無く、車のフロントにアルファベットで書かれていたメーカー名をネットで検索して調べ、ようやっと購入までたどり着いたのだ。

アメリカ車の並行輸入車というのは、オドメーターに信頼性が持てないという事も調べていく内にわかった事だった。並行輸入車を買う際は、メーター上は【20,000km】と表示されていても実際には何十万キロも走っている可能性があるらしい。それを見た時にかなり躊躇したのだが、とりあえずはその車が日本でも販売されている事を知り、会社帰りにアメリカ車を扱っているカーディーラーへふらりと立ち寄ってみた。もちろんこの店もネットで検索して知った。家からすぐ近くにこんな店がある事に気づかなかった。それほどまでに車に対して頓着が無かった。

ディーラーにて説明を受けると不安は全て解消された。
1980年代から、全てのアメリカ車は走行距離や車両状態について履歴が残されているらしい。だから現在では実走行距離がわからないという曖昧な答えは存在しないとの事だ。一般人でも30ドルほど払って車体番号を入力すれば、これもネットですぐに車両の履歴が見られるらしい。実際に見せてもらったのだが、その車がアメリカの誰かの手にあった時に、いつ整備を受けたのか、事故歴はどうか、水没は、オーナー履歴は、などなど、その車両についてのあらゆる情報が記録されていた。

これほど膨大な量のデータを蓄積しているとはさすがに驚いた。日本の車にはこういったシステムは無いのだろうか。車に対して本当に頓着が無かったので、その辺の事はわからない。ただ、この情報開示は大いに助かった。これで虚偽の走行距離の車両に乗っているという事態は回避出来るわけだ。

説明に安心し、その店舗の営業マンに展示車を見せて欲しいとお願いした。
そして、欲しい車の名前を初めて告げた。

果たして、その車は展示されていた。2日前に店頭に並べられたという。その前にも同じ色、同じグレードの車両があったらしいが、入庫当日に売れてしまったらしい。人気がある車なのだろうか。

黒いボディカラーが夕日に映し出されている。アメリカでその車を見た時とは大分印象が違うのは、恐らく日本車が横に停まっているからだろう。普通の日本車がここまで小さく見えるなんて思いもしない。予想以上の迫力に笑みがこぼれてしまう。驚きと、もうひとつ。説明できない高揚感が体を走った。

大きな車が欲しいと言うわけではなかった。自分でもうまく説明が出来ないのが少しもどかしいが、きっと何かを変えたかったのだと思う。プログラマーとして毎日パソコンと向き合う日々。淡々と過ぎて行く毎日。この日常に決して文句があるわけじゃない。あるわけではないが、何かが足りないといつも思っていた。

「日常が繰り返されるものならば、その繰り返しの中に何か、自分の中に【意味】を持たせる事が大切なのではないか」

会社からの帰途、気まぐれに聞いたラジオ。内容は受験生に対する応援のようなものだったが、それに触れてパーソナリティがそんな事を言っていた。

その言葉を聞いた時に、「ああ、そういうものに無頓着すぎるな」と感じたのだ。
何かが必要だと思った。自分の生活を変える何か。大きくうねるような変化はいらない。いらないが、必要なのはきっと変化を感じる瞬間やその後の時間なのだろう。

変化を求めなくてはならない。自ら能動的に。ではその為にはどうすれば良いのかを考えた。
繰り返す毎日の中で無意識に触れているものを思った。頭の中に数個の物体が浮かび、最終的に残ったものが車だった。

興味の対象ではなかったので、一切考えた事のないもの。
選んで自動車を買う。それがアメリカ車になるとは自分でも驚いたが、まあこの際思いついたままに動いてみようと心に決めた。

メンテナンスの不安は、このカーディーラーが自信を持ってサポートしてくれると言う。
安心してカーライフを楽しめると言ってくれた。
カーライフを楽しむなんて、自分にとってはおよそ考え付いたことの無い事だ。車は移動手段で、何でも良くて。それが変わるかもしれない。どうなるのかはわからないが、きっと変わるのだろう。そう思うともう迷いは無かった。

幸か不幸か、選んだ車は去年フルモデルチェンジを受けているために新車の販売はされていないらしい。必然的に中古車になる。新車価格よりは割安になるのが有難かった。

全国の展示車両から選ぶ事が出来ると営業マンは言ったが、一目見て実は決めてしまっていた。この店に展示してある黒いボディの車両。ホイールがキラキラと輝いている。夕日を受けて佇む姿が、とても愛らしく見えた。これで良い。いや、これが良いと心から思える。

即日で契約書を取り交わした。納車は2週間後の予定とし、店を後にした。

まさかコイツも、製造された時には日本に来るなんて思わなかっただろう。ましてや車に興味の無かった人間に乗られる事になるなんて。もしもこの車に意識があったとしたら、驚愕の表情を浮かべたまま固まっているかもしれない。擬人化した車両を思い浮かべ、少し前にDVDで発売された子供向けCG映画を思い出していた。
「さて、どこに連れて行ってもらおうか」
心の中で話しかけていた。変化は目の前だ。それが楽しみで仕方が無かった。



…これが、2週間前の話だ。

そして今日。記念すべき納車の日。と言っても別段気合を入れてスーツ姿でなんてことは無く、普段着でふらっとに店に向かった。土曜の午後なので店も若干混雑している様子だったが、営業マンに笑顔で迎えられ、車両の説明を受ける。

どうやらこの車には純正よりも大分大きなホイールが履かされているらしい。購入時に説明を受けたが、若干乗り心地が悪くなる分、見た目に迫力が増すとの事だ。あまりそういう事は気にしないので、ホイールがどうと言われてもピンと来ない。今まで乗ってきた車に比べたらどんな乗り心地でも天国気分になれそうな、そんな妙な自信を持つ程、程度の悪い車を乗り継いできたのだ。まあタダで付いているし、デザインも気に入ったのでそれはそれで良しとした。

実際の車両を前に、操作方法等の説明を一通り受ける。初めての左ハンドルに若干緊張感するも、よくよく説明を受けると日本車とほとんど変わらない。車幅に慣れるまではゆっくりと運転していこう。そのうちに操作方法にも慣れるだろう。

カーディーラーのスタッフ全員を紹介され、これからのメンテナンスについてお願いをし、車に向かおうとする。
目線を車に向けると、黒い車体の横に、もう1台の黒い車体。
自分の車の横に、全く同じ色、同じデザインの、同じ車両が停まっている。

2台の同一車両。車両と車両との間に、ちょこんと座る女性の姿が見えた。

赤みがかった髪の色が遠くからでもよくわかる。
小さな体。両手で膝を抱えている。高校生だろうか。
担当営業と共に車に向かって歩き出すと、すぐに表情まで読み取れそうな距離になる。

着ているのはワンピースだろうか。夏の日差しに焼かれて鮮やかに映える水色を、透き通るような肌色が締め付けている。石の様に小さくうずくまった姿のまま、つま先立ちで支えを失ったミュールのかかとだけがぷらぷらと揺れていた。

店の自動ドアが開く。自分の車まであと数歩の距離。
動きを止めていた女性がこちらに顔を向けた。
幼さを感じさせるのは、大きな瞳のせいだろうか。風に揺られてさらさらと流れる髪の間から見えるその瞳に釘付けになる。綺麗な顔立ちだから目を離せない、という理由も少しあった。しかし。
目を離せなかったのは、その女性が明らかに不機嫌な表情をしているからだ。

2台の同一車両。自分の車がどっちなのかはホイールを見ればすぐに分かった。
ホイールの中心から外側に向かって角度を変えながら進んでいくスポーク。
幾何学模様が美しい。そんなデザインだ。一度見たら忘れない。

女性はそのホイールをじっと見ていたらしい。
なぜそのホイールを見てそんな不機嫌になるのかが理解できない。眉はつりあがり、口は少し尖っている。まるで子供が駄々をこねる顔だ。

怒った目線と自分の視線が交錯した瞬間、女性は立ち上がるとスタスタと近づいてきた。刹那、自分の横にいた営業マンに少し鋭い声で問いかけた。
「新井さん!これがあの時言ってた車ですか?」
一緒に歩いてきた営業マンの新井さんは表情ひとつ変えず笑顔のまま答えた。
「そうですそうです。今日こちらの方の納車日なんですよ」
「ホイール、かっこいいじゃないですか!」
「ですよね、榊さんも画像でお見せした時にお気に入りいただきましたよね」
「そうです!かっこよかったんですよ!」

…何だか会話の内容が見えない。女性は腕を組み、ホイールを見下ろしながら、「やっぱりかっこいい」などと小さくつぶやきながらうんうんと頷いている。なんだか華奢そうな外見に似合わないポーズだ。組んだ腕の肘には絆創膏が貼られている。どうしたんだろう、転んだのだろうか。相変わらず口を尖らせたままで女性は振り向く。
「新井さん、そちらの方を紹介していただけますか?」
目線がこちらを向いている。営業マンの新井さんに目をやると、若干苦笑しながら紹介していいかどうかを目で問いかけてきた。まぁ名前くらいなら構わない。作り笑顔で促す。

「この方はこちらのお車をご購入された、田口さんです。田口さん、こちらは榊さんです。田口さんがこちらの車をお選びになる前に当店で展示してあった、こちらの、同じ車両を購入された方です」
右手の甲で横の車を紹介した。

…という事は。
…この少女の様に見えるふくれっ面を崩さない女性は、18歳以上という事になるのか。
少し驚いた。とてもそうは見えない。こんなにもふくれっ面をした大人の女性を、私は初めて見たかもしれない。そしてこのような女性がこんな大きな車に乗る事にも驚く。再び肘の絆創膏に目が行く。中心のガーゼにうっすらと血が滲んでいた。

「初めまして。榊と申します。うらやましいです、ホイール」
言うや否やすぐにまたホイールに目を落とした。太陽の光を受けて輝くホイールとは真逆の表情だ。何と答えたらいいものか。

横の車のホイールを見る。純正のホイールだ。これはこれでいいと思うのだが、どうやら納得できないらしい。タイヤの厚みが厚い。さぞ乗り心地が良いのだろう。
「田口さん」
不意に女性に名を呼ばれ振り向いた。女性が表情を変えていた。真剣な眼差しでこちらを見上げている。
「はい?」
初めて声に出して返答する。距離が近い。目線を合わせようとするとかなり首を傾けなければならない。無理やりに合わせてみると、もう先程の真剣な眼差しも消えていた。一転していたずらを隠す子供のような笑顔を見せている。小さな体に良く似合う表情だとは思ったが、容姿と年齢がまるで一致しない。

日差しを遮るものの無い幹線道路脇の駐車場。熱を浴び続けたコンクリートの香りが一面を覆い、道路を走る車達の走行音もどこか夏らしげだ。道の先を辿ればきっと逃げ水が見えることだろう。

「初対面でこんな事言われておかしな人だと思われそうですけど、お願いがあります」
幼さの残る、透き通るような澄んだ声。夏の空気に乗ってどこまでも届くかのように。


「このホイール、くださいっ」


夏の午後。
記念すべき納車の日、私の横で頬を膨らませていたこの女性とは初対面だ。
恨めしそうにこちらを見る視線はいつしか好奇心と歓喜の入り混じったものに変わっていた。

なぜこんな事になっているのか。これが変化の始まりなのだろうか。こんなものを望んでいたのだろうか。納車日にタイヤが無くなるという重大な危機を向かえ、早速思考を停止してみることにした。



―つづく―(ません)


 
この記事のURL
http://blog.goo-net.com/bubu_utunomiya/archive/142

トラックバック
この記事へのトラックバックURL
http://blog.goo-net.com/bubu_utunomiya/tb_ping/142

コメントする
名前:
Email:
URL:
クッキーに保存
小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー リンク


コメント
プロフィール


2012年02月
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29
月別アーカイブ
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
ネットワーク

リンク集
友人新着記事


-天気予報コム-

http://blog.goo-net.com/bubu_utunomiya/index2_0.rss
店舗情報
店舗写真
店舗詳細
店舗地図
ショールーム
このお店の車両一覧
★いまならナビがついてくるキャンペーン★
★キャプティバ&ソニックで2012年もアクティブに過ごそう★
2012年01月01日〜2012年03月31日
話題の『ワイルド・コンパクト★シボレーソニック』と7人乗りSUV『シボレー★キャプティバ』のご成約特典として『いまならナビついてくる!キャンペーン』をスタートさせました〜♪大人気の2車種を手に入れるなら 今しかないですよ!その他『カマロ生誕45周年記念車』やシボレー100周年を記念した『コルベット100thセンテニアルSP−ED』の発売など2012年はシボレーがHOT×2!


Goo-net Blog
GooWORLD Blog
GooBike Blog