カーライフ萬研究所 DX 究極の目的は「交通事故死傷者ゼロ」の社会
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究極の目的は「交通事故死傷者ゼロ」の社会 2007年09月12日(水)
【標準装備化が拡大する安全装備】


万が一の事故のとき乗員保護のために装備されているエアバッグだが
ふだんその存在を意識することはまずないと言っていい
また、クルマを購入するときも購入条件として考えることはないのではなかろうか
しかし、クルマの安全性能とその装備は着実に進化し続けているのだ


 ご存じの方も多いと思うが、交通事故の死者数は減少傾向にある。その背景には救急医療のレベルアップと、クルマそのものの安全性向上が大きく貢献している。
 自動車任意保険の割引対象になっていることからもわかるように、クルマの安全装備は万が一のときに乗員保護に大きな効果がある。保険会社にとっても、安全装備の充実したクルマ(そのオーナー)は大事なお客さんなわけだ。エアバッグを例にとると、運転席と助手席の両方に装着された場合、保険料は15%も安くなる例がある。
 エアバッグが国産車に装備されたのは、ちょうど20年前の昭和62年のホンダレジェンドから。今では軽自動車でも標準装備が当たり前になったエアバッグだが、はじめのころは高級車のオプション装備品で、かなりお値段も高かった。
 7月末にトヨタは、秋から発売する新型車以降のすべてのクルマに、SRSサイドエアバッグとカーテンシールドエアバッグを標準装備すると発表した。20年の時を経てクルマの安全装備は、レベルアップと装備の標準化がいっそう進みそうだ。今回は、クルマの安全装備について考えてみよう。

TEXT:編集部


衝突時に脚部のダメージも緩和するニーエアバッグ。現行クラウンロイヤルのもので、デュアルエアバッグと合わせて標準装備だ。






■平成18年の交通事故発生件数と死傷者数

※警察庁交通局「平成18年中の交通事故の発生状況」から抜粋。



標準化が進んでほしい安全装備

クルマにはひとつでも多くの安全装備があるにこしたことはないはずだが現実は?
安全装備の標準化が進んでいるものもあれば意外に遅れている装備もある


POINT1 えっ、まだ標準装備じゃないの? 後席3点式シートベルト

 じつはエアバッグは乗員保護の補助装備という位置付けで、本来の主役はというとシートベルト。
 現在シートベルトは、一般道で前席、高速道路ですべてのシートでの着用が義務づけられている。後席の着用義務は現時点では高速道路のみだが、一般道でも着用義務化は秒読み段階といっていい。
 しかし、とくに必要性の高いはずのミニバンで全席3点式シートベルトを標準装備しているクルマはごくわずか。中央席は2点式というのが主流で、3点式となるとオプション装備になったりする。意外なところで遅れていたりする……。


平成9年式のカルディナは後席3点式はオプション装備だった。あまり進化していないのが現状なのだ。






POINT2 搭乗者と歩行者に優しいボディ。6つ星の衝突安全性能

 一方、クルマの車体そのものの衝突安全性能は着実な進化を遂げている。毎年発表される自動車アセスメントの試験結果では、最高の評価である6つ星を獲得するクルマが非常に多くなった。
 昨年度にはこれまで高い評価を得るのが困難だった軽自動車で、ホンダゼストが衝突安全性能試験で運転席・助手席とも最高の6つ星を獲得。軽自動車も十分な乗員保護性能を持つようになってきた。
 クルマ選びに安全性を指標にする傾向がユーザーに定着すれば、メーカー側ももっと安全なクルマ造りを目指すはずだ。


軽自動車の小さなボディでも衝突エネルギーを分散させることが可能なことをゼストは証明した。






POINT3 視力をカバーする暗視装置など安全装備のハイテク化が進む

 事故に遭わないように、未然にトラブルを防ぐ「アクティブセーフティ」の機能も進んでいる。
 ABS(アンチロックブレーキシステム)はほとんどのクルマに標準装備されるようになったし、横滑り防止装置なども標準装備化が進んでいる。今後予想されるのは安全装備のハイテク化だ。暗視機能やレーダーによる前方の障害物探査など、人間の能力をはるかに超えた機能でドライバーをサポートする機能が標準装備化されるのだ。
 現段階ではかなり高額な装備だが、エアバッグと同様に標準装備が進行すると思われる。


レジェンドのインテリジェント・ナイトビジョン。肉眼で見えない車両前方をディスプレイに投影する。






今号のチェックポイント

究極は交通管制システムの
インフラを整えることだが……


 左の写真は日産が開発中の携帯電話の通信を使ったITS(高度道路交通システム)の実験風景。GPS測位方式で携帯電話を持つ歩行者の位置情報を収集して、ナビ画面に表示。交差点での出会い頭事故を未然に防ごうというシステムだ。
 これは自動車メーカーだけでなく自治体の協力も必要で、一般的に導入されるにはまだかなりの時間が必要になるだろう。だが、交通事故ゼロ社会を目指すなら、究極の安全装備はこうしたものになるのかもしれない。

 
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