カーライフ萬研究所 DX 30年ぶりのF1開催に湧いた4日間を振り返る
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30年ぶりのF1開催に湧いた4日間を振り返る 2007年11月07日(水)
【日本GP in 富士スピードウェイ】

日本グランプリが30年の時を経て富士スピードウェイに甦った
毎年開催されていた鈴鹿からF1のために大改修を施された
富士スピードウェイに移行して初めての開催
いろいろな意味で大きな話題を提供した
「2007・日本GP」をここで振り返ってみよう


 じつに30年ぶりに富士スピードウェイにF1が帰ってきた。すでに、各種の報道でご存じの方も多いと思うが、今回のF1日本グランプリは、さまざまな混乱が発生した。

 富士スピードウェイでの最大の見せ場は、1.4kmにも渡るメインストレートから一気にブレーキングし、右回りの第1コーナーに飛び込むシーンであったが、雨の降りしきるウエット路面では、そのシーンもスポイルされてしまった。

 しかし、今年のレースを振り返ってみると、やはりF1のすごさを十分に感じさせてくれるものであったのは間違いない。

 なにしろウェット路面であったにもかかわらず、多くのマシンが300km/hを超える最高速を記録しているのだ。最悪とも言えるコンディションのなかで、この最高速を記録していることは驚異的。

雨のレースだからといって、手を抜いたシーンはない。条件が悪化すれば、悪化したなりに、その状況に応じたバトルを見せてくれるのが、F1のすごいところ。

 さらにウォータースクリーンにはばまれた状況でありながら、限界走行を続けられるドライバーのテクニックと精神力はもちろん、そうした常人を超えたドライバーのパフォーマンスに応えるF1マシンのポテンシャルの高さにも脱帽させられた。なぜなら決勝の雨模様は、もし高速道路だったなら、おそらく80km/h規制、いや50km/h規制になるような状況だったのだから。

 F1という世界最高峰のレースが雨にたたられてしまったのは、非常に残念なことであった。しかし、自然相手のことだけに、これはどうしようもないことでもある。

 雨対策について、チームや観客以上に、サーキット側がもう少し気を使っていたら、レースを観戦に訪れた人も、もう少し楽しむことができただろう。

PHOTO&TEXT:諸星陽一



本格的バトルが見られた
決勝を振り返る


レースの見どころはいろいろある
そのなかで、今年の日本GPで見られたのは手に汗握るマシンのバトル
コーナーでの駆け引き、前方視界ゼロでのスリップストリーム
世界最高峰のF1バトルを富士スピードウェイは存分に楽しませてくれた


驚異の新人・ハミルトンに
スターの資質を見た


 レースを制したのはポールポジションからスタートした、マクラーレンのルイス・ハミルトン。ハミルトンは、レース中にBMWのロバート・クビサと接触しているが、ピットインで順位を落とした以外は、じつに堅実なドライビングでトップをキープし続けて、レースを終えた。

 ウェット路面でのレースは、ウォータースクリーンによって大きく視界がはばまれるため、ポールポジションからのスタートは有利だ。

 しかし、67周という長丁場。しかもピットインのあるレースなので、先行車をパスしないでゴールすることは不可能。

 ルーキーでありながら、これを見事にやってのけたハミルトン。新たなスターは、本物の素質を持っているようだ。


写真は予選中のピットワーク。ピットワークもバトルの一面を見せてくれるが、今回のレースは、コース上でのバトルに見せ場があった。
日本GP終了時点で、ランキングトップだったハミルトン。


苛酷な条件下での母国グランプリ
3つのチームと2人のドライバーの健闘


 今年のF1には、ホンダトヨタ、スーパーアグリF1と3つの日本チームが参戦している。そして、スーパーアグリF1には佐藤琢磨、スパイカーには山本左近と2名の日本人ドライバーが在籍、日本GPでも参戦をした。

 今回のレースでは、山本が最後尾、佐藤がその前というスターティンググリッドであった。

 雨により荒れに荒れた決勝では、全22台中で完走できたのは15台のみ。この15台に、佐藤琢磨と山本左近の両選手は入ることができた。

 入賞こそ逃したものの、母国グランプリ、それも最悪の条件下のなかで両選手がリタイヤせずにゴールを迎えられたことは、今回のレースのなかで、数少ないハッピーな話題だ。


自身最高となる12位でゴールした山本左近。ヘアピンで見えた、多くの観客に母国グランプリのすばらしさを感じたと語っている。
第2スティントで、新品エクストリームタイヤと燃料満タンを選択。しかしこれがアダとなり、タイムを上げられなかった佐藤琢磨。



今号のチェックポイント

今後の課題と期待。日本GPの未来

 今回、富士スピードウェイでのF1開催はさまざまな問題を生んだ。シャトルバスの待ち時間の長さ、道路の陥没、見えない仮設スタンド……。30年前とは状況が違いすぎるため、今回は初開催と言っていい。大切なのは、今年の失敗を来年に持ち越さないこと。再来年からは、富士と鈴鹿が隔年開催となる。両サーキットが切磋琢磨して、どこで開催されても、日本のグランプリは世界最高だと言われるようになってほしい。

 
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