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渋滞のない高速道路を目指して 2008年02月07日(木)
REPORT of Month
Improvement of road
文と写真●GooWorld


渋滞のない高速道路を目指して

 快適なドライブの天敵はなにか……と聞かれたら、多くの人は「交通渋滞」と答えるに違いない。そのなかでも、日本経済を根底から支える首都高速は、お世辞にも十分な機能を果たしているとは言えず、その経済損失は3兆円にも上る。ここ数十年でクルマの性能は大きく進化したが、道路の進化はどうなのだろう? クルマにも、地球環境にも、そして財布にも厳しい大都市の渋滞。  
 ところが最近、この問題を解決すべく、多くの団体が懸命になって解決策を模索している。そのひとつとして、都内某所で「首都圏・高速道路の未来を考える」というシンポジウムが行われた。首都高環状線山手トンネルの開通を記念して行われたこの催しでは、モータージャーナリストほか、首都高速道路株式会社の執行役員や大学教授が講演者として参加し、渋滞緩和に向けてのパネルディスカッションを実施。その主なテーマとなったのが、首都高中央環状線(C2)・山手トンネルの開通と、距離別料金制度の導入だった。
 昨年12月末に開通された山手トンネル(新宿〜池袋線)によって、首都高速の慢性的な渋滞緩和に大きな期待が寄せられている。さらに2年後の2009年には渋谷線、2013年には品川線に繋がり、中央環状線は完成する計画だ。そのほかにも、多くの高速道路会社では、標識を見やすくしたり、交通量の多い箇所の車線増、的確な渋滞予想の提供など、少しでも渋滞を減らす努力をしている。
 また、2008年秋から首都高速の距離別料金制が導入される予定となっている。これは走行距離に応じた通行料(400円〜1200円)を徴収するというもので、現在の均一料金制(どれだけ走っても700円)に比べると合理的な制度。パネリストは「この制度を導入することで、有料道路としての商品性が高められ、結果的に渋滞緩和につながる」と皆大きな期待を寄せていた。首都高速道路株式会社は、首都高本線の平均走行速度は約3km/h上がり、年間8万トンもの二酸化炭素の削減ができ、年間プラス200億円もの経済効果があると試算し、多くのメリットがあるとしている。
 しかしながら、この制度にまったく問題がないわけではなさそうだ。首都高は出口に料金所がほぼないに等しく、走行距離を判断するのにETCの搭載が前提となる。ETC未搭載車は、距離に依らず最高金額の1200円が徴収されてしまう。この問題を解決するのに、“首都高X”という簡易料金徴収システムの導入が検討されているが、普及にはドライバーの十分な理解が必要となるだろう。
 渋滞緩和に向けて、多くの取り組みをしている首都高速。これらが成功すれば、阪神や九州などほかの地域、さらには諸外国の道路整備のモデルケースにもなり得る。私たちが渋滞の無い快適なドライブを楽しめる日は、決して遠くないのかもしれない。


パネルディスカッションには、モータージャーナリストや大学教授など、クルマや交通のスペシャリスト6名が参加し、未来の交通・環境問題についての議論が交わされた。








昨年12月に開通した山手トンネル。これによって、首都高4号新宿線の上り方向の渋滞がおよそ2割軽減されるといわれている。消火設備、避難設備や管理体制には最新の技術が投入されている。

首都高3環状のひとつである中央環状線(C2)は、現在建設途中。来年中には渋谷線まで伸び、さらに2013年には南側(品川線)が全域開通して中央環状線が完成する。

 
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