僕らの業界の用語に、”トンボを切る”という言葉がある。けっして昆虫の蜻蛉を虐待するという意味ではなく、レイアウトの位置決めのマークのことなんだけれど、知らない人が聞くと何のことだかさっぱり分からないと思う。語源はたぶんマークの形の一つの+が蜻蛉に見えないこともないことから来ていると想像するのだけれど、本当のことは分からない。
”蜻蛉を切る”と書くと、歌舞伎や殺陣の世界で、立役の強さを強調する為に投げられたり切られた者が宙返りなど打つことを言う。
”蜻蛉切”と書くと、戦国時代の武将 本多忠勝が愛用した槍のことで、天下三名槍の1つだ。
その忠勝の親分が徳川家康で、家康は”東海一の弓取り”と言われた。(本当は今川義元がそう呼ばれていたが、いつの間にか徳川家康を指すようになった。)
”弓取り”とは武将のことを意味するんだけれど、元々は弓を持つこと。また、その人を指した。
”東海一の弓取り”とはだから東海道地方で一番強い武士という意味なんだけれど、僕は”トンボを切る”のノリで、”弓取り”という言葉に勝手に想像力を働かせてしまう。特に”東海”という言葉と一緒に使われた時には、自分に誤用を許してしまう。
東海地方に弓状(弧状)に広がる各地の海岸線を辿って確認することを、僕は勝手に”東海の弓取り”と呼んでいる。
弓は海側に開いている場合も、陸側に開いている場合もあるのだが、弓状に海岸線が続くことに変りはない。
明日のツーリングに備えて、今日は家でのんびり過ごしている。渥美半島から遠州灘、駿河湾、伊豆にかけて海岸線の中で走って楽しかった場所を”弓取り”しながら楽しんでいる。
ものの本では、東海地方とは、三重県、愛知県、岐阜県、静岡県をいうらしいが、岐阜県に海はない。僕の感覚では東海地方とはあくまで律令国制の三河、遠江、駿河、伊豆といったところだ。
南から順に印象の深い海岸線の”弓取り”をしてみる。
@渥美半島
やっぱり伊良湖岬の海岸線は素晴らしいよね。