W650乗りの江東橋がバイクに使える道具やウェアを自腹で紹介。
なるべく爽やかにリポートします(笑)。

 
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秘なる静寂。第二の秘境『S』 2008年04月07日(月)
 『T秘境』に感動したヒデキ、じゃなかった江東橋一行が次に向かったのが、そこからほど近い『S秘境』です。実はココ、正式名称が与えられており、Tよりも容易に検索エンジンに引っ掛かってくれます。けれどやっぱり大勢で押し掛けるよりもソロか2〜3人でひっそりと訪れていただく方が、情緒があってヨロシイので伏字にいたします。もちろんヒントは文中に隠してございますので探ってみてください。

 さて、ワタクシも何枚かの資料を携えてほぼ場所を確定していたわけです。その資料とは、とあるブロガーさんが千葉の郷土史から抜粋した昔の地名が記された地図、そしてとその方が撮った降下ポイントの写真。これなら楽勝、とタカを括っていたのですが国道に設えられたランドマークの、ふたつの橋の間にあるはずの降下ポイントが見つかりません。「う〜む」。タバコを吸いながらしばし、写真と睨めっこ。


 国道から直接降下できるものと勘違いしていたのですが、よく見りゃ白飛びしている写真の道路はアスファルトではなく砂利じゃないですか(写真は同じアングルで江東橋が撮ったものです)。

 おお! 確信はないもののツーリングマップルと照らし合わせると、どうやら国道から一本それるようです。不安げに坂を農道に下ります。実はS秘境、江戸時代は、いわゆる街道のような存在として房総半島交通の要であった道路の名残です。近隣には人馬を提供する馬継場というスポットもあったそうな。

 そんな江戸時代の主要な陸上交通道路が果たして、のどかな畦道? しかし確かに持参した写真と瓜二つ。そして土で固めた坂道を降りると……


 オーバーハング気味にそそり立つ両岸に抱かれた川へ下りていきます。ウンコビンゴの香りが匂うぞ!


あっ、やっぱり

 違いますってば! れっきとした遺構です。もうこの場所に間違いないと確信しました。この川には江戸時代、木製の桟道(橋みたいなものね)が掛けられていたそうで、馬に跨った旅人がしばし、美しい景観に見とれていたであろうビューポイントだったわけです。

 すなわちこの木片は岩に穴を開け、そこに穿たれた木の支柱なのです! そう、誰も保存活動などしていないのにもかかわらず、江戸時代に髷を結った職人さんが取り付けた支柱100年以上の時を経た今も残っているということになります。

なんというトリッペンな遺構なのだろう(と考えちゃうのは江東橋だけ?)。


もうクラクラ……。


そして下流に進むにつれ“ソレ”が姿を現すのです。



3、2、1……、



“I”岩あぁぁぁっ!!



 川床に表れたる“I(ワンともいえるか!? )”と呼ばれる巨大な奇石。かつての旅人たちはこの岩の造形に見とれていたのです。

 ご覧のようにてっぺんには木が生えており、その下にカリ(笑)がありますね。つまりそこが第一の水位だったわけで、その後に土台のような部分まで下がり、そして現在の姿になったのでありましょう。


側面から眺めるとこんな感じ。



 でもって、どれくらい大きいかN君にポーズってもらいました。ホントに登っちゃダメですよ!
 この場もやはりワタクシども二人以外、誰もいないわけですが、頭の中では馬に荷物を括りつけ、江戸へと向かう旅人が行き来しています。あと何10年、いや何年もすればこの岩もポッキリと折れてしまうでしょう。誰にも知られずにひっそりと存在し続け、やがて朽ちていく遺構。この儚さが日本人の心をワシッと掴むのであります。


 「さあ帰ろう」と振り返るとそこには、まるで首都高銀座線ランプのような一本の“坂道”。恐らくこの坂道が正規のルートであり、人々はI岩に遭遇したのでしょう。



 帰路はこの坂道を登りましょう。
 馬に跨った江戸時代の旅人とすれ違うかも……。そんな空想すら抱かせる不思議な場所。坂を上りきって農道に出ると、そこには素朴な現代の千葉の日常がありました。