2004年の春、さくらの花びらが舞う中にわたしはいた。
だいすきな彼が昼寝をしている隙を見て、
ひとりでさくらを見に出かけた。
満開のさくら。
広がる青空。
平日の昼間。
人っ子ひとりいない神社の参道。
吹き抜ける風がさくらの花びらをのせて、
わたしの前を、横を、上を、通り抜ける。
さくらを独り占めした。
彼がわたしを探しにやってきた。
少しふてくされている。
起きた時にわたしがいなくて驚いたんだね。
それを見たわたしは思わず、笑ってしまった。
とても幸せな瞬間。
とても満たされた瞬間。
『ずっと』を疑わなかった瞬間。
2007年秋、もうすぐ街路樹が色づく頃。
だいすきだった彼は、今は隣にいない。
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アンジェラ・アキさんの『サクラ色』を聴くと、
あの時の光景が浮かぶ。
いつまでもいつまでも、大切な瞬間。 |