こんばんは。
整備のネタに事欠かない中野自動車ですが、今回は正直、私もことばを失うくらい悲しいお話しです。みなさんもこのお話しが良い教訓となり、こういうことが起こらないよう今後の参考にしていただければと思います。
年末のことです。初めて当店をご利用いただくお客さんがSR−FOURでやってきました。かなりイジってある様子で音、車高等とてもワルそうです。この日は軽くSR−FOURのメンテナンス等の話しをして、ホーンの修理をして帰っていきました。それから数週間、大晦日だったか元旦だったか・・・。私も体調が悪かったのではっきりと覚えていません。持ち込みでステレオの取り付けを依頼され、ふたたびご来店。古いステレオを取り外すとなんとも汚らしく不愉快な配線の仕方。
「前のオーナーさんはけっこう雑というか豪快というか・・・上手なヒトではなかったみたいだね」
なんて話しをしながらキレイに配線しなおして取り付けました。ちょうど常連さんの「G」も来店していて、現オーナーさんとSR−FOURの話しに花が咲いていました。聞けば「訳のわからないタービンが付いていて7000回転くらいからやっとターボが効き始める」という。それはありえないくらいの話しですね、と驚く私と「G」。こんな話しからまずはすべてノーマルに戻し、本来SR−FOURとはどういうクルマなのかということを解かっていただくことにしました。
その日はそんなこんなで終り、「初春の激闘」をこなしている最中1本の電話が入ります。相手はそのSR−FOURのオーナーさんでした。「バスバス言ってまともに走れなくなっちゃいました。」とのこと。早速、不調ながらも自力で当店まで走ってきてお預かりすることになったのです。
さて、このオーナーさんのこのSR−FOURの入手についてお話しします。ご購入は12月。まだ手元に届いて間もない状態ですぐに当店にご来店されています。ネットで検索し、このクルマを見つけ、発注したのだそうです。注文した販売店は地方で、とても簡単に行き来できる距離ではありません。ですので陸送を使っての引渡しとなったそうです。で、この正月には不調で当店に駆け込んでいます。
で、状況を詳しく見ると次々と危ういヶ所が出てきました。ここに作業前の段階で見ただけで「ダメ」と判断できる部分を列挙します。
バンパーを外した状態。左前に軽い修復歴があるのはまぁ、良いとして・・・。
ターボの周辺から排気漏れがあり、甲高い音が出ています。画像で確認できる部分ですが、ターボの冷却用の冷却水のバイパスのパイプが激しくサビています。接続してあるホースもカチコチです。
エアコンのコンプレッサーです。なんと!!リブベルトのリブが1つズレて付いています。コンプレッサー本体側に寄ってかかっており、プーリーの外側に1本、溝が空いています。これではベルトが斜めにかかっていることになるので劣化が著しく早まります。
プラグも怪しさ満点です。トランクには9番のプラグの空箱がころがっていました。東京近郊の道路状況で9番のプラグを入れて走るには相当の覚悟が必要です。
ラジエターです。周囲が青くなっていますね。これ、全部漏れた冷却水が乾いて粉になったものです。これはエンジンルームを洗ってしまえば簡単に消えてなくなってしまうものなのですが、この販売店では「幸い」洗わないでいてくれたのですぐに確認できました。ちなみに中に入っていたのは冷却水ではなく、普通の「水」でした。
先程ご覧いただいたアッパータンクと同様にロアタンクもカシメ部分からやはり漏れて粉を吹いています。
そして最後にこれ。ターボのブースト圧をコントロールするものですが、これを目一杯上げて走っていたようで・・・。
と、これだけすごいことになっています。こんな状態で普通に販売するお店があることに驚くヒトも多いかと思いますが、
中古車屋ってこんなものです。クレームが来なきゃラッキー、来て当たり前みたいな。そんな危なっかしいことするよりしっかり整備して安心して売れるほうが良いと思うのは私だけなのでしょうか・・・。
ともかく、次回はターボの取り外しやプラグ等実際に整備を着工していきます。お楽しみに。
ではまた。