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AT車の泣き所  2008年09月25日(木)
こんばんは。

オートマ車しか設定が無いクルマがほとんどというこのご時世。オートマ車にも「乗り方」というのが実はありまして・・・。「普通にD入れて走るだけじゃん」と言われればそうかもしれません。新車で買って3年で買い替えるというのならそれでも良いかもしれません。が、この異常なガソリン価格の高騰を始めとする物価高。そんな時代にそんな贅沢な買い方をするヒトはそう何人もいるものではありません。大半のヒトは「できるだけ長く乗って高額な買い物は控えたい」と思っていることでしょう。そんなアナタにちょっとした工夫でクルマの寿命を延ばす良い方法を。



これはATF(俗に言うオートマオイル)を冷やす為にミッションからラジエターに繋いでラジエターの1部を通すことで温度を下げる「オイルクーラー」に接続するホースです。つまり、ミッションとラジエターを繋いでいるのです。出て、戻る訳ですから2本あるのです。そして、上の2本が古くなったホース。下の2本が新品です。



ラジエターの下部分にはこのようにホースが接続されるパイプが出ています。後程登場しますが、当然、ミッション側にもパイプが出ております。だいたいどのメーカーのどの車種でもオートマ車ならこんな感じでホースが使われています。このホースが劣化してオイルが漏れてしまうという現象はとても多いです。どのメーカーのクルマでも走行距離が増えてきたり、経年劣化、酷使された状態で乗り続けることによる異常な高温状態での走行など原因はたくさんあります。



これがミッション側の接続部のパイプです。今回はスズキ セルボモード SR−ターボの修理です。このホースの接続部からオイルが徐々ににじみ出て漏れになります。このホースは定期的に交換しているとこういう事態にはなりませんが、そんなに定期的に交換しているヒトはまずいないでしょう。ほとんどの場合、漏れが発生してから交換するということになります。



さて、冒頭でお話しした、「ちょっとした工夫」の件です。オートマチックトランスミッション(AT)はクルマを走らせている間、ずぅ〜っとATFに圧力をかけています。ただでさえエンジンやマフラーの熱で高温になるエンジンルームの中にあるのに、この圧力によってATFはさらに悪条件に晒されることになるのです。ATFはこうした高温になる状態でいかにその圧を保持できるかが勝負です。が、長い間使われてきたATFだとその熱による酸化が進み、性能が落ちてきます。このような状態で使い続けるとゴム製のホースは徐々に侵されてきます。そして今回のような修理が必要になるのです。



では、このATF、さらにはATミッションそのものをどうやれば長持ちさせてやることができるのか?ということです。G.W.や夏休み、お正月等、高速道路が大渋滞しますね。よくニュースでヘリコプターからの映像が映し出されていますが、ブレーキランプによる赤い蛇のように道路が見えています。実はこれなんです。信号待ちやこうした渋滞にハマった時、Dレンジのままでブレーキを踏んで止まってる状態にしていませんか?ほとんどのヒトがそうして止まっていると思います。PやNレンジになっている状態のアイドリングよりDレンジに入れたままで止まっている時のアイドリングの方が回転数が低いですよね?この状態のまま止まっている間、ATミッション内部(正確にはトルクコンバーター内部)ではずっとATFに圧をかけ続けているのです。これをNやPにしてサイドブレーキをかけて止まっていればこうした圧から解放させてやることができるのです。



「いちいち止まるたびにNにしてサイド引いとくのかよ!?」と思うヒト、そうなんですよ。そうすることでATF、ATミッション本体の負担が大幅に軽減されるのです。人間、楽な方へ楽な方へ流されますが、ATのシフトレバーの操作位置がなぜP、R、N、D・・・となっているか・・・。ちゃんと意味があるのです。でなきゃDとRとPだけで充分ですよね?なぜNやP(パーキングレンジは無いとキーが抜けませんからまぁ、置いといて)があるのかということです。ついついブレーキ踏んでりゃあ止まってるからとDレンジのまま走行中1度もシフトレバーに触らないアナタ。高い修理代金を支払う前に「Nレンジでサイドブレーキ」をやっておいた方が良いですよ。ガソリンが高いだなんだって言ってる場合じゃなくなりますから。

ちなみにマニュアル車に乗っているヒトもニュートラルでサイドブレーキが良いんですよ。クラッチを踏み続けて止まっているとクラッチカバーとベアリングが押し合っている状態で止まっていることになるのでこれらの部品の劣化が早くなります。ご注意を。

ようするに「未然に防げる余計な支出は防ぐ」ということ。これが一番の節約法なのです。

あぁ〜あ・・・また仕事が減るな・・・。


   
たまにはこんなのも・・・  2008年09月13日(土)
こんばんは。

JB1ライフのタイミングベルトって大変です。これまでのホンダ車では普通車のみクランクプーリーのボルトを緩める際に特殊工具が必要でした。が、このJB1ライフから軽自動車もこの工具が必要になりました。これからはちょこちょこ入庫することが考えられるライフ。なのでその特殊工具を購入しました。しかたなく購入しました。届いて早速使ってみると・・・入らない・・・。フレームとプーリーの間の隙間が狭く、どう見ても入りません。工具そのものは正しい品番で届いてますのでどうにかすれば使えるハズです。

その「どうにか」が大問題で、結局、エンジン後部のマウントを外し、車載工具のパンタグラフジャッキをエンジンとバルクヘッドの間に挿入し、エンジンを前方へ強制的にずらします。その状態でエンジンをユサユサ揺らしながらこじるように入れてようやく使うことができました。強烈です。特殊工具というのはそのクルマの為に必要な専用の工具のハズです。それを使うのにここまで苦労しなければならないという構造ってどういうことなのでしょう。設計や開発等の時点でなにか間違っているような気がします。ガソリンの異常な高騰でクルマを買い替えず、修理して長く乗って節約しようという人たちがたくさんいる昨今、こんな構造のクルマではせっかく節約のつもりで修理しても工賃が高くなってしまっては意味がありません。こんなふうに作ってしまったことはもうしょうがないことですから、今後発売されるクルマではこんなことが無いようにしっかりと考えて作って欲しいものです。

さて、話しは変わって・・・変わる前にそんなこんなで作業場のド真ん中を堂々と陣取っているライフがとにかく邪魔で、他の作業がやりづらいやりづらい・・・。で、そんな状態の時にかぎってデカいクルマの修理が入ってくるものです。



まだ8000kmしか走っていないヴォクシーです。バンパーの交換の為、入庫しております。この巨大なバンパーを取り外す場所が確保できず、作業場に頭っから突っ込んでライフと向かい合わせ状態で作業をしました。おかげで狭い隙間を縫うように動き回って取り外し、新品を取り付ける際はキズが付かないように上下左右前後にうねうね移動しながら取り付けました。他人に絶対見られたくない「バカ踊り」状態。もっとスペースがあればこんな恥ずかしい踊りをする必要はなかったのに・・・。

何くわぬ顔で納車し、ピカピカの新品バンパーも誇らしげに輝いていました。あのバンパーを担いで1人うねうね踊っていたのかと思うと切なくなってきます。このクルマが車検や他の整備で入庫するたびに今日の「バカ踊り」を思い出すことでしょう。

ではまた。


   
忍耐力!!  2008年09月08日(月)
御無沙汰いたしております。

サボリグセが治らない中野自動車の「ぼ」です。

ずいぶん長い間ブログの更新をしていませんでした。作業が無かった訳ではなく、毎日毎日なにかしらの作業はしていたのですが、面白いネタが無かったこと、軽い作業でも多く抱えていると意外と忙しいということで更新が滞っておりました。

ふと思い出したように今回は「小ネタ」を1発。



これはあるクルマ(今回初めてウチで作業をやっているクルマです)から取り外したファンベルトです。昔の(現在も1部の車種では使用していますが)台形断面のVベルトではなく波型断面のリブベルトです。



スゴくないですか?ボロッボロです。よくここまで使えていたものだと感心してしまいました。Vベルトだったらとっくにちぎれてしまっていたハズです。こういう状態になるということはどういうことなのでしょう・・・?しっかりとした仕事をする整備工場やディーラーさんに車検に出していればこうなる前にちゃんと交換されていたハズです。なのにこんなになるまで交換されず、現在に至っているということはそうした「ちゃんとした仕事」をする整備士に診てもらっていなかったという証拠です。このクルマはエンジンオイルだけは定期的に交換されていた様子で、エンジン内部は比較的キレイでした。が、その他の部分に関してはとても良い状態とは言えない有様。

結局、ただ「車検に通れば良い」という考え方でそのまま検査だけ受けて「合格」してしまえばそれでOKということを繰り返し行ってきた何よりの証拠です。こういうところから、どういうオーナーさんが乗っているのか(いたのか)が解かるんですね。

実はこのクルマ、同業他社でごく普通に商品車として展示され、値段が付いていたクルマなのです。それを当店に買い取ってくれということで引き取ってきたクルマです。依頼してきた同業者Aは「エアコンよく効いてるよ」「調子良いよ」と良いところばかりアピールして置いていきました。まぁ、私はハナっからそんな話しはまともに聞いてはいませんでしたが・・・。いざ整備に入ってみればベルトはこんな状態、ドライブシャフトも相当長い間ブーツが切れたまま走っていた様子で、中のジョイント部が半分破壊されかけている状態。「やっぱりな・・・」です。Aのいう「調子良い」は「走行可能」という意味です。多少調子が悪くても走行はできますが、けっして快適ではありません。今回のクルマはそんな次元の話しではなく、「辛うじて走ってきた」状態です。この状態のどこが「調子良い」のでしょう・・・。

まぁ、私はそういうクルマでもしっかりと治してしまいますのでAからしてみれば「ヤツんとこ持ってけばどうにかしてくれんだろ!?」くらいの気持ちで持って来たのでしょう。私もそれを解かって買い取っていますのでAが思っていた程の値段では買い取る訳ではありません。明らかに彼が思い描いていた理想の値段とは大きくかけ離れた安い値段だったと思います。それでもこのクルマをウチに置いて行ったという時点で「何かあるな。」と思うのは当然です。

この他にも高額な部品の交換がいくつか必要な状態でした。自動車業界のこうした「騙し合い」というものは昔から行われてきました。ちゃんと整備ができる人間にしか販売する資格を与えないというくらい厳しい制度が確立されていればこうしたことは無くなっていくのでしょう。でもそうすると大半の中古車店は経営できなくなってしまいます。こうした駆け引きの度に「最初っから素直に言えばもう少し高く買い取ってやるのに・・・。」と思います。「整備士をナメるなよ!!」という思いがいつも発生します。が、口にはしませんよ。付き合い(べつに途切れても私にはなんら影響無い程度のものですが)というものがありますし、お互い大人ですから。

まさに忍耐力が必要な「お付き合い」です。



   
低グレード車で遊ぼう!!〜2008 夏  2008年08月15日(金)
こんばんは。

御盆休み真っ只中、いかがお過ごしでしょうか?相変わらず私はいつも通りの生活リズム。普通に仕事をこなしております。昨日は2台、今日は1台と車検に出かけましたが、この時期の車検は空いていて待ち時間が無く、とても快適に検査が受けられます。予約も前日に簡単に取ることができ、急な依頼でも気持ちに余裕ができます。

さて、そんな決してヒマな状態ではない当店ですが、私のアルトも少しづつ走行上不都合な部分がボチボチと出てきていたのでちょっと時間を作ってリフレッシュしました。



部品取り車からの移植でシートをセルボモードSR−FOURのものに交換しました。これまではノーマルのビニール生地のシートだったんですが、破れが大きくなってきていたことと、画像にも写っていますが、ウチのチビを乗せるチャイルドシートのフィッティングがいまいちよろしくなかったことが今回の交換に至った要因です。ウチのチビは1歳8ヶ月ですが手におえない程よく動くのでしっかりと固定できないとシート上で右へ左へ前へ後へと自在に回転してしまいます。AT車だったらある程度フォローできますが、このアルトはMT車。足でシフトレバーを蹴飛ばされ、走行中にギヤがすっぽ抜けるということが度々起こっていました。ほぼ毎朝私が保育園に連れて行くのでかなり切実な問題です。

で、このシートに変えてからは、ご覧の通り「超軽量&コンパクトチャイルドシート」がしっかりと収まり、チビもしっかりと固定でき安全に乗せることができるようになりました。本人からすればこれまでのような「蹴飛ばす相手」がいなくなってしまってつまらないようですが、そんなの知ったことではありません。



外から見ると明らかに外観とは吊り合わないデラックスなシート。ちなみに運転席の方は以前、当店ホームページの方で紹介した「スプリング2重掛け」カスタムを施してありますので座面が程よい硬さになっています。サイドのサポートもしっかりしていてレカロ等の座り心地に近い感じです。これで私もチビも快適に移動できます。

「スプリング2重掛け」カスタムとは座面の裏側に付いている蛇のようなうねったスプリング4本を外したシートから同じスプリングだけを取り外して2重に掛けるという小技です。注意点としては、このスプリングを引っ掛ける部分の溶接がしっかりしていることが最低条件となります。長年使ってきたシートだと大抵はこの溶接部分が剥がれかけていたりします。そんな場合にはしっかりと溶接し直すか、穴を開けてボルト&ナットでガッチリ固定しないとスプリングの力で完全にもぎ取れてしまいます。





次に、当店に入庫した時からなのですが、ドアミラーの可動部分の付け根にヒビが入っていて走行中にミラーがガタついてしまうという現象がありました。このヒビは日増しに大きくなっていき、今ではビヨンビヨンで手で動かそうものなら前に後に自在にひん曲がってしまう程でした。そこでやはり部品取り車からの流用で可動部に蛇腹のゴムブーツが付いた高グレード車のものに交換です。私の好みとしては樹脂の地肌剥き出しのこれまでのミラーの方が好きだったのですが、わざわざ新品を購入して付ける気にもなりませんのでしかたがありません。



現在、走行は37000km。当店にやって来て7000km走行したことになります。ここで一気に快適になったのでまだまだ走ってもらいます。たまに常連さんに貸し出すこともあるのですが、みなさん「面白い!!」とか「かなり速いっすね!!」ととても楽しんでいただいている様子です。ここでその「面白さ」に「快適さ」も加わって格段に高性能化したアルト。まだまだ進化し続けることでしょう。

ではまた。



   
あいたたたたっ!!  2008年08月08日(金)
こんばんは。

もうすぐ御盆の時期ですね。
来週はほとんどの方が夏休みでしょう。当店はいつも通り火曜日のみ定休日で通常営業です。各メーカーも夏休みになりますので部品の発注はできませんので、当店で在庫している部品、オイル類の交換作業しかできません。そんな中、コツコツと車検や軽い整備作業はいくつか予定が入っているのでこなしていきます。

さて、最近、暑いのでついつい楽チンなクルマで通勤している私ですが、当店のスイフト 1200 XGは快適でとても重宝しております。が、最近、このスイフトに思わぬ事態が・・・。



パンクです。「何かが刺さっている」ことはちゃんと気づいていました。が、月に1〜2回空気を入れれば大丈夫なくらい微妙に抜けていく感じだったのでそのまま走っておりました。「クルマ屋」という職業の人間の多くはお客さんのクルマをイジるため、毎日毎日いろいろなクルマを触っています。すると自分のクルマはどうしても後回しになりがちです。私もまさにそんな感じで、けっこう持ちこたえてきました。



今日、たまたまお客さんの車検のクルマの作業が早めに終わったので「このタイミングを逃すといつできるか解からない」ということで修理することにしました。最初の画像ではちょこっとしか見えませんが、2枚目の画像だと修理ヶ所がよく解かりますね。しっかりと突き刺さっていました。釘。この修理をすればそこから再び空気が抜けることはまずありません。

パンクというのはたいていの場合、防ぎようがありません。道路に落ちている小さな釘やガラス片等運転していて見えるハズがありません。したがって誰でも起こり得るトラブルです。しかも予告無く突然起こるものです。パンクしてしまったら「運が悪かった」と思うしかありません。私のように「まだ大丈夫」などと自分なりの勝手な判断をせず、できるだけ早く修理しましょう。何かが刺さった状態のまま高速道路等走った日にゃあ確実にバーストして事故になりますから。

とりあえず私のスイフトもこれで安心して、快適に乗ることができます。

ではまた。


   
L70(550cc)ミラ TR−XX タイミングベルト切れ〜瀕死からの蘇生!自動車病棟24時(最終回)  2008年08月03日(日)
こんばんは。

今日はいよいよミラが仕上がってしまいます。いつものオーバーホールのレポートに比べれば短いシリーズでしたが、内容は結構濃いものだったような気がします。



一通りの部品を組み付けた様子。ヘッド周りだけがやたらビカビカです。



ターボの組み付けはEXマニホールド等と同時に仮止めしながら組み付けていかないといけません。マフラーとの接続もすべてのボルトやナットを入れてから締め付けていかないとうまく取り付けできません。



あとはオイルと冷却水を入れてエンジン始動となります。



ご覧の通り、安定して1000回転弱をキープしております。点火時期等の調整を行い、いよいよ試運転です。アクセルペダルの踏み加減に気持ち良く応答してくれる、なかなかのレスポンスです。



画像のブレが力強い加速力をうまく伝えてくれています。立ち上がりから鋭い加速と、回転が上がるとターボの強烈な後押しが軽い車体をグイグイと走らせていきます。



何の不安も無く走ってくれるTR−XXに仕上がりました。これだけのクオリティであれば現代のスポーツカーにでも決して劣ることはない性能です。公道ではなくサーキットで走ってみたいクルマです。

さて、こうして瀕死状態だったミラTR−XXも元気に甦ることができました。次はどんなクルマのどんな作業をレポートしましょうか・・・。いくつかの作業予定はすでに入っているので厳選して近いうちに「予告」をしたいと思います。

では、お疲れ様でした。
今回のレポートも最後までお付き合いいただいたみなさん、ありがとうございました。
それから、もう随分前になってしまいますが、このブログのアクセス数が100000アクセスを超えました。いつもご覧いただいているみなさま、これからもよろしくお願いします。

ではまた。



   
L70(550cc)ミラ TR−XX タイミングベルト切れ〜瀕死からの蘇生!自動車病棟24時(4)  2008年08月01日(金)
こんばんは。

毎日暑いですねぇ。うなだれながらコツコツやっております。今日から8月です。毎年のことですが、当店は御盆期間中も通常通り営業しております。

さて、ミラの方ですが、いよいよヘッドが乗っかります。



まずは乗せる前のヘッド完成図から。少ないバルブ数もあって比較的簡単に組み上がったヘッドですが、こうして見るとやはりメカメカしいです。



ディストリビューターも付いています。キャップは車体側にプラグコードとともに残してありますので組み付けてから被せます。



真新しいウォーターポンプ。この後の型のEF(660cc)エンジンと同じものです。



ラジエターのロアーホースからウォーターポンプまでを繋ぐ、冷却水の通るパイプです。ダイハツ車ではここにサビや汚れがたまり、強烈な詰まり方をしているクルマがよく見受けられます。TVCMでよく見る「配水管の中はこんなに汚れが詰まっています!!」と言って胃カメラのような映像が流れていますが、まさにあんな感じです。こうして簡単に交換できる時には必ず交換したい部品です。



タイミングベルトのクランクシャフト側プーリーも新品です。グズグズでボロボロで使い物にならない状況でしたので・・・。こうしてシリンダーブロック周りの交換部品を取り付けたらいよいよヘッドを乗せます。



乗りました。規定トルクで固定してこれで万全。あとはヘッド周りの部品の取り付け、タイミングベルト、ターボ等を取り付けていきます。



非常に美しく見えますね。とても20年前のクルマと思えません。リフレッシュするとこんなに見違える程キレイになるんですね。自分でやっておいてこんな言い方もどうかと思いますが。



ヘッドカバーをかぶせてタイミングベルトを張ります。カムシャフトのプーリーも新品です。この画像の部分だけ見ると新車のようです。サクサク作業は進みます。

次回はターボの取り付けあたりをレポートします。もう少しです。この週末中に完成すると良いんですがどうなることでしょう・・・。

ではまた。



   
L70(550cc)ミラ TR−XX タイミングベルト切れ〜瀕死からの蘇生!自動車病棟24時(3)  2008年07月30日(水)
こんばんは。

ウチの首領「にゃあ」は店を縄張りに変えてからとても精神的に安定していてリラックスしすぎ・・・。とても穏やかな余生を過ごしております。そんな首領に見守られつつ今日からは組み立て作業に入ります。私の背後では常時「にゃあ」が監督しています。



まずは磨き上げたシリンダー上面。ここはヘッドガスケットが圧着する面ですから磨き残しは段差になり、オイルや冷却水、最悪の場合はシリンダーの圧縮漏れを起してしまいます。しっかりと平面を出し、古いガスケット等が残っていたりしないよう入念にチェックします。また、ピストン上面も可能な限り汚れを落とします。



ウォーターポンプが付く面です。ここもしっかりと古いガスケットを落とさないと冷却水漏れが発生してしまいます。また、タイミングベルトの削れカスがやたら付着していたオイルポンプのボディ(ウォーターポンプの下の部分)も清掃しました。



新品のバルブ(左)とひん曲がった古いバルブ(右)。せっかくなので並べて1枚。明らかに曲がっていますね。普通は肉眼では「微妙に曲がってるかな?」くらいにしか見えないのですが、これだけ明らかに曲がっているのも珍しいものです。しばらくの間はとっておきますのでご来店の際には1度見てみてください。「タイミングベルトが切れるとどうなるか」というのがよく解かります。



で、新品のバルブ合計6本を各バルブ穴に擦り合わせを行います。できたらバルブスプリングを組み付けてバルブを固定します。それが上の画像。この状態ではまだカムシャフトは付いていません。



次にカムシャフトを組み付けます。このエンジンでは1気筒目側から挿入するカタチで取り付けます。緑色になっている部分(エンジン組み付けペーストを塗ってある部分)が各バルブのカムになります。



そしてロッカーアームを組み付けます。これでカムシャフトは見えなくなってしまいました。あとはデスビやオイルシール等周りの部品を組み付けて完成です。



燃焼室側。何事も無かったように整然とバルブが並んでいます。ちゃんとここまで復活できてよかったよかった・・・。まだエンジンかけていないのでどうなるかは解かりませんが・・・。

さて、次回は周辺パーツの取り付けと、シリンダーブロック側の交換部品の作業になります。お楽しみに。

ではまた。



   
L70(550cc)ミラ TR−XX タイミングベルト切れ〜瀕死からの蘇生!自動車病棟24時(2)  2008年07月26日(土)
こんばんは。

雲っているのに蒸し暑いですね。地道にコツコツやる作業では手元に汗がしたたり落ちてきます。いつものオーバーホールの時のように今回も洗浄作業を行っています。いくら程度が良いミラと言っても20年以上経ったクルマですから、洗える時に洗っておかないと「次」は無いでしょうから・・・。



ヘッドが洗い終わりました。長年の蓄積された汚れを落としてさっぱりした姿になりました。しかし、この不思議な楕円形のカタチにはさすがに古さを感じてしまいます。現代のDOHC車並みの大きさですし・・・。



燃焼室側。バルブ穴がとても巨大です。おかげで真鍮ブラシが入りやすくて作業はしやすい方でした。おまけに6バルブしか無いですからね。さて、ここまで出来たら、亀裂や歪み等、今回のトラブルで発生した「影響」が無いか、入念に調べます。亀裂は目では見えないような小さなものが発生している場合もありますので、専用のケミカルを使用します。色の付いた液体をまんべんなく塗りつけてしばらく待ち、様子を見ると、亀裂があるヶ所に染み込んでいきます。ウエスでふき取ると亀裂部分に染み込んだ液体が残り、確認できるというスグレモノです。幸い、今回は亀裂は生じていませんでした。



次に歪みを確認します。いろいろ方法はありますが、私は最小限の工具しか持っていませんので、それらを駆使して調べていきます。この辺は企業秘密ということで。で、歪みも無く、このヘッドは無事だったことが確認できました。



そうなるとこのミラは蘇生可能ということになりますので、早速その他の部品を洗浄します。画像ど真ん中がカムシャフト。その両脇にバルブスプリングが3個づつ。これは左側のがIN、右側のがEXのものです。バルブは新品に交換なのでここには写っていません。ちなみにロッカーアームがIN側だけしかないのは今、EX側を洗っている最中だからです。

ということで洗浄作業もヘッドのみだと楽なもんです。次回のレポートではもう組み付けに入ることでしょう。お楽しみに。

ではまた。



   
L70(550cc)ミラ TR−XX タイミングベルト切れ〜瀕死からの蘇生!自動車病棟24時(1)  2008年07月24日(木)


こんばんは。

いよいよ予告しておりました「L70(550cc)ミラ TR−XX タイミングベルト切れ〜瀕死からの蘇生!自動車病棟24時」シリーズがスタートします。今回は正直、生き返ることができるか、かなり瀬戸際の状態まで激しく損傷しているクルマです。ここで言う「せとぎわ」とは技術的な問題ではなく、予算的な問題です。どんどん新品部品を使えばそりゃあどんなに激しく傷めつけられたクルマでも修理は可能です。が、クルマの原価はどんどん跳ね上がり、販売価格に影響します。63年式のミラに100万円もの大金を出すという人はいない訳ですから、「売れる」金額の範囲内で、しかもしっかりとした修理を行わなければなりません。そういう意味で「せとぎわ」なのです。



「タイミングベルト切れ」とは言うものの、実際にはベルトのリブがすっ飛んでしまっている状態。まぁ、どちらも結果は同じことですが。さらにこの状態でしばらく放置されていたらしく、テンショナーやウォーターポンプ、プーリー等サビだらけ。すべて交換しなければなりません。壮絶な状態です。



早速ヘッドを取り外しました。今回はピストンに損傷は無いという前提で(もしピストンまで損傷を受けていたら予算的に修復不能となります)エンジンは下ろしません。ヘッド単体で取り外して修理します。が、早々とトラブルが発生・・・。なんとヘッドボルトがへし折れてしまいました。この1本だけやけに硬かったので渾身の力で一気に回したら、あの独特のゆる〜い感触が両腕に伝わってきました。



こんな時は決して慌ててはいけません。シリンダーブロック上面にキズを付けることなくへし折れたボルトを抜き取る方法をじっくりと考えます。まず、ヘッドガスケットは剥がさずそのまま残しておきます。上面の保護の役目をしていただきます。次に折れたボルトの側面2ヶ所をヤスリで削り、平面を作ります(画像参照)。モンキーレンチがしっかり掴めるようなくらい平らになったらOK。次にボルトの周りのヘッドガスケットを少し剥がし、ガスケットの下のボルトの付け根にWAKO’Sのラスペネを吹き付けます。しばらくその状態で待ち、ボルト穴に浸透していったらヘッドガスケットを平らに戻します。



そしてモンキーレンチをしっかりと掴ませて衝撃を加えるように「カッキ〜ンッ!!」と回します。無事に緩めることができました。画像は折れたボルトを抜き取った、歓喜に湧きかえる瞬間です。これがもし外れなかったら、このミラの命はここで絶たれてしまっていました。



とりあえずシリンダーブロックのトラブルも解決し、ピストン等にも損傷が無いことが解かったのでヘッドをバラしました。この当時のミラは3気筒で各気筒2バルブですから全部でたった6本しかバルブがありません。が、なんとその6本すべてがひん曲がっていました。IN側の3本は径が大きいこともあり、かろうじて立っている状態ですが、EX側3本はご覧の通り自力で立っていられない程激しくひん曲がっています。



これだけのダメージを受けているバルブが刺さっていたヘッドブロック・・・大丈夫なのでしょうか・・・?これからすこしキレイにしてしっかりと検査しなければなりません。その辺りに関してはまた次回といたします。

はたして生き返ることはできるのでしょうか?今回はさすがに私にも解かりません。今言えることは「思ったよりも重症だ」ということ。いくらまでかけられるかが勝負です。

ではまた。



   

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