こんばんは。
雨と風で極寒の中、薄暗い作業台に向かい、コツコツと作業を続ける毎日・・・。世間では3連休ということでどこかに出かけたりのんびり過ごしている方も多いことでしょう。中野自動車はそんなヒマはありません。ただひたすらに作業をこなします。
さて、以前から毎回言いつづけてきた「キャブレターの部品」が入りました。本格的にキャブレターのオーバーホールにはいります。
有無も言わさずバッラバラです。徹底的にバラして洗浄します。キャブレターの内部には非常に細かい部品が多く入っていますのでオーバーホールでのもっとも重要なことは「部品を無くさないこと」です。どれ1つ無くなってもまともにエンジンはかかりません。そして、その細かい部品すべてを完全に洗浄し、針の先程の小さな穴等を1つ1つキレイになったか確認していかなければなりません。
当然、それらの部品が収まるボディ部の通路等も同様に洗浄します。この
セルボのキャブレターのボディは上下3分割になっています。画像は一番下になる部分で、アルミ製です。ここは主に吸入空気の量や周辺のダイヤフラム等に負圧を送る為の通路が集中しています。通常はこの部分はあまり汚れない部分で、2分割式のキャブレターでは次の画像の真ん中に来る部分と一体になっています。が、ここも長年の蓄積された汚れがたまっていたのですべての穴や通路を洗浄しました。
ボディの真ん中のブロックです。ここは燃料タンクから送られてきたガソリンが溜まるフロート室があります。画像の左の方にあるオレンジ色の丸いものがフロートで、これが画像のブロックの下の方の角張った穴に入ります。ここにガソリンが溜まり、このフロートが浮き上がるとフロート室へのガソリンの供給がストップされます。そのフロート室の底に2つの金色の丸いものがありますが、これがいわゆる「ジェット」と呼ばれるもので、メインジェットとスロージェット(アイドルジェットとも言います)と言います。この2つのジェットからバレル内にガソリンを噴射させています。メインジェットは加速時に、スロージェットはアイドリング時に作動します。
一番上の部分です。噴射ノズルやチョークバルブ等のコントロール系の部品とフロートの浮き沈みによって開閉されるニードルバルブ等があります。エアクリーナーをはずして真っ先に見えるのがこの部分になりますが、画像では裏返し状態ですのでこの方向から見る機会はあまり無いでしょう。ここにも小さなジェットやバルブ、ノズルと言った重要な部品がたくさんあります。1つ1つ外して洗い、付いていた穴も洗ってしっかり洗浄液が流れることを確認して取り付けていきます。
非常に細かく、そして洗浄液の冷たさも相まって指先がまともに動かなくなります。それでもチョンボは許されません。いくつもの部品を洗浄し、ボディもある程度磨いたら組みつけに入ります。今回はオーバーホール時に欠かせないガスケットセットがちゃんと入手できたのでこのガスケットたちを使って組み立てていきます。もし、このセットが生産終了にでもなっていたら自作ガスケット用の「パッキン紙」と呼ばれる紙から切り出して作ることになります。そんなことさすがにやってられません・・・。
最後の画像はスロットルやオートチョーク等のリンケージ部分です。よくオートチョークが不調になってエンジンが冷えている時に回転が低いままでブルブルいいながら止まってしまうクルマがありますが(今時キャブレターのクルマに乗っている方も多くはないと思いますが・・・)そういう場合は大抵ここが原因です。冷却水の水温を感知してスロットルを強制的に開くサーモセンサーとかサーモ
エレメントという部品が動かなくなっていたり冷却水の汚れがたまって正確に水温を感知できなくなっていたりしてそういう不調が起こります。この
セルボでは幸いこの部分はとてもきれいで作動もしっかりとしていたのでここは問題無しでした。
この一連のキャブレターのオーバーホールをやってみて、ジェットやノズルがことごとく汚れで詰まっていました。これではまともに走れる訳がありません。しっかりとクリーニングしてそんな汚れをすべて除去しました。いまどきのインジェクション車ではこのような作業はほとんどありませんが(不良=交換なので)こうして甦らせて自分の手で調整を行い、好調になっていくのはキャブレター車ならではの醍醐味と言えます。整備士の腕次第ということですね。最近ではキャブレターをイジったことが無いという整備士もたくさんいますが、やはり基本はこのキャブレターなんですよね。私も久しぶりにやりましたが、現代のクルマでは味わえない「懐かしい」作業です。
次回はキャブレターが「カタチ」になっていきます。お楽しみに。
ではまた。