こんばんは。
昨日は約半月に渡るオーバーホール作業が終り、私もとりあえずひと安心というか、今日は疲労回復に努める感じでお客さんの
スイフトの車検整備なんぞやっておりました。部品が届くまでは同時に依頼されたリアバンパーの補修に取り掛かっていました。10Cm程亀裂が入ってしまっていて、わずかにゆがみも出ていますが、ゆがみはともかく、亀裂とキズは目立たない程度にやってもらえないか?という感じの依頼でした。塗装も本格的ではなくタッチペン程度で構わないというのですが・・・。いざやってみるとそうもいかず・・・。けっこうしっかり直ってしまっています。
さて、今日は昨日までの「ビストロ オーバーホール」の番外編ということで、あるモノをご覧いただきながら今回の作業を振り返ってみたいと思います。とにかく今回のポイントは「蘇生」です。現代では「焼き付き」=「死亡」という図式がほぼ成り立っていますが、当店では決してそんなことはありません。高額にはなりますがしっかり修理することが可能なのです。そして、今回のビストロは現実に甦りました。
焼き付きの原因はたいてい「メンテナンス不足」から来るものです。今回のビストロも例外ではなく、エンジンオイルを車検から車検までの間、1度も交換していませんでした。半固体化したネバネバドロドロの真っ黒いオイルが潤滑能力を失い、焼き付いてしまったのです。そして・・・
これが焼き付いたコンロッドです。こういう状態の部品をあまり見る機会も無くなってきたことですので、交換後、あえて取っておいたのです。これは第4気筒目のコンロッドで、オイ
ルポンプから一番遠い位置にあるのです。つまり、ヒドい状態のオイルであっても辛うじて第3気筒目までは循環していたものの、最後の4気筒目までは届かなくなってしまっていたのでした。
裏返し。クランクシャフトに付く部分が大きい丸穴、ピストンに付くのが小さい丸穴です。大きい穴の方は周囲が真っ黒く焼けてススけています。いかに高温になったかがよく解かります。
この穴の中を覗くと、金属同士が擦れ合ってギザギザの段差がはっきり出来てしまっています。これが油膜の切れた焼き付きの症状なのです。今回はここだけで済みましたが、通常はアチコチがこんな状態になります。ここにはメタルベアリングが取り付けられ、その内側にクランクシャフトが通るのですが、幸い、コンロッドとメタルベアリングの損傷のみでした。
こうなる前に日頃から定期的にしっかりとオイル交換をしてくださいね。本当に良いクルマというのはキズが無いとか修復暦が無いとか外装の問題ではなくて、こういうメンテナンス的なことをしっかりやっていたクルマが良いクルマなのです。今回のビストロは作業前は正直、「ヒドいクルマ」でした。しかし、今回の作業を行ったことで「極上のクルマ」になりました。でも、全国どこの整備士でもここまで出来るとは限りません。エンジンのバラし、組み付けには相当な経験を積まなければなりません。いくら2級、1級の整備士であっても経験が無ければしっかりと組み上がりません。何年も修行をして、良い先輩(経験豊富なヒト)の作業を見て、それを実践し、失敗して引っ叩かれながら経験を積んでいくのです。これをやらずしてまともなエンジンは組めません。私も5年程、街の修理工場で修行をし、現在の場所で独立して11年が過ぎました。しかし、まだまだ修行中だと思っています。日々、向上心を持って作業に挑まなければ腕は磨けません。
そんな訳で、そこいら辺のクルマ屋さんが今から私のマネをしようと思ってもそう簡単に出来るものではありません。だから同業者の方々には失礼かもしれませんが、私(当店)のマネをしよう等とは決して思わないでください。ヘタにマネをすると痛い目に会いますよ。基本を学んでいない人間が簡単にできる仕事ではありませんから。
ということで今回の「ビストロ オーバーホール」レポートはこれで終了です。次回からは短編ですが、今、いろいろ模索中の次期当店のデモカーのチューニングレポートを企画しています。ちょっとづつイジってはいますがイジる度に効果が現れて実に面白いクルマになりつつあります。こちらのレポートもお楽しみに。また、次回のオーバーホールレポートは4月上旬にまたもや
セルボモードSR−FOURの予定です。全国にはSR−FOURに魅せられたヒトたちがいかにたくさんいるかがこのブログを通してよく解かりました。そんな方々の為にもガンガン作業を行っていきたいと思います。それではまた。
ヴィヴィオに乗られているんですね。
オーバーホールの工賃は1台1台異なります。
それまでの使用状況や劣化具合等によってさまざまな状況が考えられます。
詳しくは当店ホームページの「オーバーホールのご案内」をご覧ください。
おおよその参考にはなるかと思います。