こんばんは。
いよいよ予告しておりました「L70(550cc)
ミラ TR−XX タイミングベルト切れ〜瀕死からの蘇生!自動車病棟24時」シリーズがスタートします。今回は正直、生き返ることができるか、かなり瀬戸際の状態まで激しく損傷しているクルマです。ここで言う「せとぎわ」とは技術的な問題ではなく、予算的な問題です。どんどん新品部品を使えばそりゃあどんなに激しく傷めつけられたクルマでも修理は可能です。が、クルマの原価はどんどん跳ね上がり、販売価格に影響します。63年式の
ミラに100万円もの大金を出すという人はいない訳ですから、「売れる」金額の範囲内で、しかもしっかりとした修理を行わなければなりません。そういう意味で「せとぎわ」なのです。
「タイミングベルト切れ」とは言うものの、実際にはベルトのリブがすっ飛んでしまっている状態。まぁ、どちらも結果は同じことですが。さらにこの状態でしばらく放置されていたらしく、テンショナーやウォーターポンプ、プーリー等サビだらけ。すべて交換しなければなりません。壮絶な状態です。
早速ヘッドを取り外しました。今回はピストンに損傷は無いという前提で(もしピストンまで損傷を受けていたら予算的に修復不能となります)エンジンは下ろしません。ヘッド単体で取り外して修理します。が、早々とトラブルが発生・・・。なんとヘッドボルトがへし折れてしまいました。この1本だけやけに硬かったので渾身の力で一気に回したら、あの独特のゆる〜い感触が両腕に伝わってきました。
こんな時は決して慌ててはいけません。シリンダーブロック上面にキズを付けることなくへし折れたボルトを抜き取る方法をじっくりと考えます。まず、ヘッドガスケットは剥がさずそのまま残しておきます。上面の保護の役目をしていただきます。次に折れたボルトの側面2ヶ所をヤスリで削り、平面を作ります(画像参照)。モンキーレンチがしっかり掴めるようなくらい平らになったらOK。次にボルトの周りのヘッドガスケットを少し剥がし、ガスケットの下のボルトの付け根にWAKO’Sのラスペネを吹き付けます。しばらくその状態で待ち、ボルト穴に浸透していったらヘッドガスケットを平らに戻します。
そしてモンキーレンチをしっかりと掴ませて衝撃を加えるように「カッキ〜ンッ!!」と回します。無事に緩めることができました。画像は折れたボルトを抜き取った、歓喜に湧きかえる瞬間です。これがもし外れなかったら、この
ミラの命はここで絶たれてしまっていました。
とりあえずシリンダーブロックのトラブルも解決し、ピストン等にも損傷が無いことが解かったのでヘッドをバラしました。この当時の
ミラは3気筒で各気筒2バルブですから全部でたった6本しかバルブがありません。が、なんとその6本すべてがひん曲がっていました。IN側の3本は径が大きいこともあり、かろうじて立っている状態ですが、EX側3本はご覧の通り自力で立っていられない程激しくひん曲がっています。
これだけのダメージを受けているバルブが刺さっていたヘッドブロック・・・大丈夫なのでしょうか・・・?これからすこしキレイにしてしっかりと検査しなければなりません。その辺りに関してはまた次回といたします。
はたして生き返ることはできるのでしょうか?今回はさすがに私にも解かりません。今言えることは「思ったよりも重症だ」ということ。いくらまでかけられるかが勝負です。
ではまた。