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L70(550cc)ミラ TR−XX タイミングベルト切れ〜瀕死からの蘇生!自動車病棟24時(最終回)  2008年08月03日(日)
こんばんは。

今日はいよいよミラが仕上がってしまいます。いつものオーバーホールのレポートに比べれば短いシリーズでしたが、内容は結構濃いものだったような気がします。



一通りの部品を組み付けた様子。ヘッド周りだけがやたらビカビカです。



ターボの組み付けはEXマニホールド等と同時に仮止めしながら組み付けていかないといけません。マフラーとの接続もすべてのボルトやナットを入れてから締め付けていかないとうまく取り付けできません。



あとはオイルと冷却水を入れてエンジン始動となります。



ご覧の通り、安定して1000回転弱をキープしております。点火時期等の調整を行い、いよいよ試運転です。アクセルペダルの踏み加減に気持ち良く応答してくれる、なかなかのレスポンスです。



画像のブレが力強い加速力をうまく伝えてくれています。立ち上がりから鋭い加速と、回転が上がるとターボの強烈な後押しが軽い車体をグイグイと走らせていきます。



何の不安も無く走ってくれるTR−XXに仕上がりました。これだけのクオリティであれば現代のスポーツカーにでも決して劣ることはない性能です。公道ではなくサーキットで走ってみたいクルマです。

さて、こうして瀕死状態だったミラTR−XXも元気に甦ることができました。次はどんなクルマのどんな作業をレポートしましょうか・・・。いくつかの作業予定はすでに入っているので厳選して近いうちに「予告」をしたいと思います。

では、お疲れ様でした。
今回のレポートも最後までお付き合いいただいたみなさん、ありがとうございました。
それから、もう随分前になってしまいますが、このブログのアクセス数が100000アクセスを超えました。いつもご覧いただいているみなさま、これからもよろしくお願いします。

ではまた。



   
L70(550cc)ミラ TR−XX タイミングベルト切れ〜瀕死からの蘇生!自動車病棟24時(4)  2008年08月01日(金)
こんばんは。

毎日暑いですねぇ。うなだれながらコツコツやっております。今日から8月です。毎年のことですが、当店は御盆期間中も通常通り営業しております。

さて、ミラの方ですが、いよいよヘッドが乗っかります。



まずは乗せる前のヘッド完成図から。少ないバルブ数もあって比較的簡単に組み上がったヘッドですが、こうして見るとやはりメカメカしいです。



ディストリビューターも付いています。キャップは車体側にプラグコードとともに残してありますので組み付けてから被せます。



真新しいウォーターポンプ。この後の型のEF(660cc)エンジンと同じものです。



ラジエターのロアーホースからウォーターポンプまでを繋ぐ、冷却水の通るパイプです。ダイハツ車ではここにサビや汚れがたまり、強烈な詰まり方をしているクルマがよく見受けられます。TVCMでよく見る「配水管の中はこんなに汚れが詰まっています!!」と言って胃カメラのような映像が流れていますが、まさにあんな感じです。こうして簡単に交換できる時には必ず交換したい部品です。



タイミングベルトのクランクシャフト側プーリーも新品です。グズグズでボロボロで使い物にならない状況でしたので・・・。こうしてシリンダーブロック周りの交換部品を取り付けたらいよいよヘッドを乗せます。



乗りました。規定トルクで固定してこれで万全。あとはヘッド周りの部品の取り付け、タイミングベルト、ターボ等を取り付けていきます。



非常に美しく見えますね。とても20年前のクルマと思えません。リフレッシュするとこんなに見違える程キレイになるんですね。自分でやっておいてこんな言い方もどうかと思いますが。



ヘッドカバーをかぶせてタイミングベルトを張ります。カムシャフトのプーリーも新品です。この画像の部分だけ見ると新車のようです。サクサク作業は進みます。

次回はターボの取り付けあたりをレポートします。もう少しです。この週末中に完成すると良いんですがどうなることでしょう・・・。

ではまた。



   
L70(550cc)ミラ TR−XX タイミングベルト切れ〜瀕死からの蘇生!自動車病棟24時(3)  2008年07月30日(水)
こんばんは。

ウチの首領「にゃあ」は店を縄張りに変えてからとても精神的に安定していてリラックスしすぎ・・・。とても穏やかな余生を過ごしております。そんな首領に見守られつつ今日からは組み立て作業に入ります。私の背後では常時「にゃあ」が監督しています。



まずは磨き上げたシリンダー上面。ここはヘッドガスケットが圧着する面ですから磨き残しは段差になり、オイルや冷却水、最悪の場合はシリンダーの圧縮漏れを起してしまいます。しっかりと平面を出し、古いガスケット等が残っていたりしないよう入念にチェックします。また、ピストン上面も可能な限り汚れを落とします。



ウォーターポンプが付く面です。ここもしっかりと古いガスケットを落とさないと冷却水漏れが発生してしまいます。また、タイミングベルトの削れカスがやたら付着していたオイルポンプのボディ(ウォーターポンプの下の部分)も清掃しました。



新品のバルブ(左)とひん曲がった古いバルブ(右)。せっかくなので並べて1枚。明らかに曲がっていますね。普通は肉眼では「微妙に曲がってるかな?」くらいにしか見えないのですが、これだけ明らかに曲がっているのも珍しいものです。しばらくの間はとっておきますのでご来店の際には1度見てみてください。「タイミングベルトが切れるとどうなるか」というのがよく解かります。



で、新品のバルブ合計6本を各バルブ穴に擦り合わせを行います。できたらバルブスプリングを組み付けてバルブを固定します。それが上の画像。この状態ではまだカムシャフトは付いていません。



次にカムシャフトを組み付けます。このエンジンでは1気筒目側から挿入するカタチで取り付けます。緑色になっている部分(エンジン組み付けペーストを塗ってある部分)が各バルブのカムになります。



そしてロッカーアームを組み付けます。これでカムシャフトは見えなくなってしまいました。あとはデスビやオイルシール等周りの部品を組み付けて完成です。



燃焼室側。何事も無かったように整然とバルブが並んでいます。ちゃんとここまで復活できてよかったよかった・・・。まだエンジンかけていないのでどうなるかは解かりませんが・・・。

さて、次回は周辺パーツの取り付けと、シリンダーブロック側の交換部品の作業になります。お楽しみに。

ではまた。



   
L70(550cc)ミラ TR−XX タイミングベルト切れ〜瀕死からの蘇生!自動車病棟24時(2)  2008年07月26日(土)
こんばんは。

雲っているのに蒸し暑いですね。地道にコツコツやる作業では手元に汗がしたたり落ちてきます。いつものオーバーホールの時のように今回も洗浄作業を行っています。いくら程度が良いミラと言っても20年以上経ったクルマですから、洗える時に洗っておかないと「次」は無いでしょうから・・・。



ヘッドが洗い終わりました。長年の蓄積された汚れを落としてさっぱりした姿になりました。しかし、この不思議な楕円形のカタチにはさすがに古さを感じてしまいます。現代のDOHC車並みの大きさですし・・・。



燃焼室側。バルブ穴がとても巨大です。おかげで真鍮ブラシが入りやすくて作業はしやすい方でした。おまけに6バルブしか無いですからね。さて、ここまで出来たら、亀裂や歪み等、今回のトラブルで発生した「影響」が無いか、入念に調べます。亀裂は目では見えないような小さなものが発生している場合もありますので、専用のケミカルを使用します。色の付いた液体をまんべんなく塗りつけてしばらく待ち、様子を見ると、亀裂があるヶ所に染み込んでいきます。ウエスでふき取ると亀裂部分に染み込んだ液体が残り、確認できるというスグレモノです。幸い、今回は亀裂は生じていませんでした。



次に歪みを確認します。いろいろ方法はありますが、私は最小限の工具しか持っていませんので、それらを駆使して調べていきます。この辺は企業秘密ということで。で、歪みも無く、このヘッドは無事だったことが確認できました。



そうなるとこのミラは蘇生可能ということになりますので、早速その他の部品を洗浄します。画像ど真ん中がカムシャフト。その両脇にバルブスプリングが3個づつ。これは左側のがIN、右側のがEXのものです。バルブは新品に交換なのでここには写っていません。ちなみにロッカーアームがIN側だけしかないのは今、EX側を洗っている最中だからです。

ということで洗浄作業もヘッドのみだと楽なもんです。次回のレポートではもう組み付けに入ることでしょう。お楽しみに。

ではまた。



   
L70(550cc)ミラ TR−XX タイミングベルト切れ〜瀕死からの蘇生!自動車病棟24時(1)  2008年07月24日(木)


こんばんは。

いよいよ予告しておりました「L70(550cc)ミラ TR−XX タイミングベルト切れ〜瀕死からの蘇生!自動車病棟24時」シリーズがスタートします。今回は正直、生き返ることができるか、かなり瀬戸際の状態まで激しく損傷しているクルマです。ここで言う「せとぎわ」とは技術的な問題ではなく、予算的な問題です。どんどん新品部品を使えばそりゃあどんなに激しく傷めつけられたクルマでも修理は可能です。が、クルマの原価はどんどん跳ね上がり、販売価格に影響します。63年式のミラに100万円もの大金を出すという人はいない訳ですから、「売れる」金額の範囲内で、しかもしっかりとした修理を行わなければなりません。そういう意味で「せとぎわ」なのです。



「タイミングベルト切れ」とは言うものの、実際にはベルトのリブがすっ飛んでしまっている状態。まぁ、どちらも結果は同じことですが。さらにこの状態でしばらく放置されていたらしく、テンショナーやウォーターポンプ、プーリー等サビだらけ。すべて交換しなければなりません。壮絶な状態です。



早速ヘッドを取り外しました。今回はピストンに損傷は無いという前提で(もしピストンまで損傷を受けていたら予算的に修復不能となります)エンジンは下ろしません。ヘッド単体で取り外して修理します。が、早々とトラブルが発生・・・。なんとヘッドボルトがへし折れてしまいました。この1本だけやけに硬かったので渾身の力で一気に回したら、あの独特のゆる〜い感触が両腕に伝わってきました。



こんな時は決して慌ててはいけません。シリンダーブロック上面にキズを付けることなくへし折れたボルトを抜き取る方法をじっくりと考えます。まず、ヘッドガスケットは剥がさずそのまま残しておきます。上面の保護の役目をしていただきます。次に折れたボルトの側面2ヶ所をヤスリで削り、平面を作ります(画像参照)。モンキーレンチがしっかり掴めるようなくらい平らになったらOK。次にボルトの周りのヘッドガスケットを少し剥がし、ガスケットの下のボルトの付け根にWAKO’Sのラスペネを吹き付けます。しばらくその状態で待ち、ボルト穴に浸透していったらヘッドガスケットを平らに戻します。



そしてモンキーレンチをしっかりと掴ませて衝撃を加えるように「カッキ〜ンッ!!」と回します。無事に緩めることができました。画像は折れたボルトを抜き取った、歓喜に湧きかえる瞬間です。これがもし外れなかったら、このミラの命はここで絶たれてしまっていました。



とりあえずシリンダーブロックのトラブルも解決し、ピストン等にも損傷が無いことが解かったのでヘッドをバラしました。この当時のミラは3気筒で各気筒2バルブですから全部でたった6本しかバルブがありません。が、なんとその6本すべてがひん曲がっていました。IN側の3本は径が大きいこともあり、かろうじて立っている状態ですが、EX側3本はご覧の通り自力で立っていられない程激しくひん曲がっています。



これだけのダメージを受けているバルブが刺さっていたヘッドブロック・・・大丈夫なのでしょうか・・・?これからすこしキレイにしてしっかりと検査しなければなりません。その辺りに関してはまた次回といたします。

はたして生き返ることはできるのでしょうか?今回はさすがに私にも解かりません。今言えることは「思ったよりも重症だ」ということ。いくらまでかけられるかが勝負です。

ではまた。



   
L70(550cc)ミラ TR−XX タイミングベルト切れ〜瀕死からの蘇生!自動車病棟24時(予告編)  2008年07月21日(月)
こんばんは。

いよいよ次回から「L70(550cc)ミラ TR−XX タイミングベルト切れ〜瀕死からの蘇生!自動車病棟24時」シリーズが始まります。長い間お待ちいただいたみなさま、ジラしてしまってすいません。ようやく取り掛かれる状態になりました。



我が自宅にひきこもっていたウチの首領(ドン)「にゃあ」が数年ぶりに出社いたしました。持病の悪化の為、「エリザベスカラー」を付けての出社であります。首領らしいアクセサリーです。常連の「ギ」殿曰く「ジラースみたいですね」。確かに・・・。現在30歳台〜の昔の少年たちならご理解いただけるかと・・・。



メスの黒猫で、歳はもう14〜5歳くらい。婆さんです。が、温厚で人に噛み付いたりひっかいたりしないので店にいても安心して見ていられます。ご来店の際にもし首領に会ったら可愛がってやってください。

ということで次回からはいよいよミラの作業レポートです。タイミングベルト切れなだけにどれだけダメージを受けているかが作業のカギとなります。どうぞお楽しみに。

ではまた。


   

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