最初に更新を楽しみにしてくださっている皆様に御礼申し上げます。
ランキングにも上位に入っており、当店のブログの更新を楽しみにしてくださっている方々がこんなにもいらっしゃるということが解かり、感動しております。
これからもどうぞよろしくお願いします。
さて、三度
セルボモードSR−FOURのオーバーホールです。今回のクルマはなんとこの日記の第1弾目でオーバーホールを行った車です!!「なんでまた同じクルマをやるんだ!?」と思われるかもしれませんね。今年の夏はゲリラ的な豪雨が度々発生しました。そんな中、完成間もないSR−FOURに乗っていたオーナーさんは突然襲ってきたどしゃ降りの集中豪雨の中を走っておりました。私も店で作業をしながら「ものすごい雨だな・・・。」と何かイヤな予感のようなものを感じていました。そこへ1本の電話。
オーナーさん(以下Oさん)「デカイ水溜りにはまっちゃった!!助けて欲しいんだけど!!」
私「ま、マジっすか!?深いですか?」
Oさん「けっこう深いよ。エンジン止まっちゃった。」
私「げっ!!マジっすか!?解かりました。絶対にこの後エンジンかけないでください!!すぐ行きます!!」
Oさん「何度かセルモーター回してみたんだけど・・・。」
私「げげっ!!マジっすか!?ヤバいっすよ!!絶対これ以上セル回さないでください!!」
牽引ロープを持って飛び出すように出撃した私。4WDの救援車輌で多少の深い水溜りでも大丈夫。現場が近づいてきたら渋滞が・・・。間違い無くOさんが原因なんだろう・・・。裏道から回り込むようにして到着した現場・・・それはクルマが通る度に波しぶきが上がる大きな水溜り。完全に道路を塞いでいました。Oさんのクルマは路肩に寄って止まっていて他のクルマはよけて通れるようにはなっていました。
室内には浸水してはおらず、状況を見るに、エンジンルームにまともに水を被った様子。
Oさん「ヤバいと思ったんだけど回転上げて突っ込んだら止まっちゃってさぁ・・・。」
私「とりあえずここから立ち去りましょう。引っ張りますから。牽引できますか?」
Oさん「やるしかないもんね。やりますよ。」
・・・・・・。
なんとか店まで引っ張ってきた頃には豪雨は上がっていました。
ボンネットを開けて覗き込む私とOさん。
私「・・・・・・。」
Oさん「・・・・・・どうっすか?」
私「おもいっきり水被ってますよ。相当な勢いで突っ込んだでしょ?」
Oさん「え、えぇ・・・。」
私「これからエアクリーナーのボックスを開けます。もし、エアクリーナーがビショビショだったら覚悟してください。」
Oさん「脅かさないでよ!!」
私「脅かしてなんかいないっすよ。エアクリーナーがビショビショになってたら水をエンジン内部に吸い込んだってことですからまたオーバーホールっすよ。しかもウォーターハンマー(※)が起きてたら今度は相当な金額ですから。」
青ざめるOさんは私の手元に集中します。私は恐る恐るエアクリーナーのボックスを開けていきます。
出てきたエアクリーナーは・・・。
※ウォーターハンマー現象 … エンジン内に水が吸い込まれた場合、吸気バルブから水が燃焼室に入り込み、圧縮すべく上昇しようとするピストンが水によって上昇できず、コンロッド(ピストンを上下させるアーム)が曲がってしまう現象。水はそれだけ圧縮されない物体であり、ピストンを真上からハンマーでぶっ叩いたようになるのでウォーターハンマーと言う。
取り出したエアクリーナーは絞る前の雑巾のようにボタボタと水滴が滴り落ちています。
私「ダメですね。」
Oさん「あぁ・・・。」
私「どうします?治します?」
Oさん「・・・どうしよう・・・。」
私「まぁ、今日はとりあえず預かっておきますからどうするか近日中に検討してください。」
Oさん「解かりました。」
もうなんというか不運としか言い様のない出来事でした。
結局、OさんはこのSR−FOURをわずか3ヶ月ちょっとで手放すことになり、当店の在庫車として再入庫することになりました。
月日は流れ、9月。なかなかこのSR−FOURに手を付けられないでいた私は前回のレポートのSR−FOURの作業を受けており、そちらを先にやることになりました。その内容は第2段のレポートの通りです。その後、お客さんのクルマの車検や修理等があり、9月中に終わらせるハズの今回のSR−FOURが伸び伸びになって今、作業開始となった訳です。
大変、前置きが長くなりましたが、すでに作業は進んでおります。
開始時はいつもそうですが、液体類をすべて抜き取ります。ミッションオイル、エンジンオイル、冷却水等です。今回も同様に抜き取りましたが、エンジンオイルはやはり水が大量に入ったせいで出てきたのはカフェオレ色のヨーグルトとでも言いましょうか、なんとも言えないキモい液体でした。とても先が思いやられます。わずか半年足らずでこの有様・・・。泣けてきそうです。エンジンを下ろし、周りに付いているパーツを取り去り、ヘッドカバーを開けます。すると、予想に反して意外とキレイ。当然、あのキモい液体はあちこちに付着しています。が、カムシャフトやロッカーアーム、
ラッシュアジャスター等のヘッド部を形成する各部品は偏磨耗や焼き付き等の症状は一切見られず、キレイに洗ってそのまま使える状態でした。完全洗浄して組みなおしたのが上の写真です。
一番問題のピストンとコンロッドも取り外します。しかし、ここでもやっぱり曲がりや焼き付きは見られませんでした。これはもう「不幸中の幸い」としか言えません。クランクシャフトをはじめ、各メタル、ピストンリング等もまったく損傷がありませんでした。入念に洗浄して順番通りに箱に並べた状態の画像です。前回の洗浄がよかったのでまるで新品のように輝いています。
シリンダーブロックです。ここもなんら問題ありません。キレイに洗浄して前回同様のコンディションをすぐに取り戻せました。いやぁ〜、どれだけの部品を交換しなければならないのかとハラハラしながらバラしていきましたが、予想を良い意味で覆されました。
ヘッドカバーです。が、この画像で重要なのはむしろ、左側に写っているオイ
ルポンプです。まぁ、わざと一緒に写るように撮ったんですが。あのキモい液体をエンジン各部に送り続けたオイ
ルポンプですが、洗ってみると画像のようにピッカピカになりました。ここもまったく損傷を受けていません。しっかり組んだエンジンは耐久力までも向上するということが実際に確認できました。我ながら「すばらしい!!」と心の中で叫んでしまいました。
クランクシャフトです。これも問題ありません。キレイなままです。さすがにオイルパンにはそれなりの汚れというかキモい液体(いい加減にエンジンオイルって言えって?)がこびり付いた状態でしたが、すぐにキレイになり、これで内部はすべてキレイになってしまいました。あとはガスケット類は1度剥がしたので新品になります。今回は意外と良い状態だったので逆に拍子抜けです。次回はスロットルボディ、インジェクター等の状態を見ていきます。お楽しみに。
※作業に夢中になると写真を撮るのを忘れて没頭してしまいます。ホントはもっと細かくいっぱい撮って掲載するつもりでしたが、撮るのを忘れてバラしてしまいました。ごめんなさい!!以後気をつけます・・・。