彼女・・・。
深夜TVにも飽きた、夜中の2時に携帯が鳴った。
彼女だった。
「ラーメンが食べたいの。美味しい店、知ってるから行かない?」
タンデム・シートにヘルメットを括りつけ家を出た。珍しく星がきれいだった。
彼女のアパートは、住宅街の真ん中にある。近くの幹線道路でエンジンを切り、彼女のアパートまでバイクを押した。2階の、彼女の部屋の灯りだけがついていた。
チャイムを押すと、ためらいもなくドアが開いた。
「早かったのね。」
彼女は、パジャマ姿だった。彼女の着替えと化粧で、たっぷり30分待った。
彼女が示したラーメン屋は郊外で、バイクで1時間ほどかかる。タンデムで、出掛ける。道路は、空いていた。回りに車も無く、バイクの排気音だけが響いた。久しぶりに、彼女の柔らかい感触を背中に感じ、心地よかった。
信号で止まる。白黒の横断歩道の両端で、緑色の光が点滅した時、彼女が言った。
「わたし、やっぱりお寿司が食べたい。」
30分後、国道沿いのお城のような店で、ベルトの上をクルクル回る寿司を選びながら
大きな声で笑い転げる彼女。
それが、彼女・・・。