昨日(3/5)の夕方、映画「キリン POINT OF NO−RETURN」を見てきました。
結論から言います。
かなり良い映画です。
監督をはじめ、制作に関わった皆さんの“熱い思い”が伝わり、
S氏は久々に清々しい気分になりました。そして単館での上映がもったいない、もっと多くの人に見てもらいたいとも感じました。
ここで、ストーリーうんぬんを解説するつもりはありませんが、市居の映画ファンである
S氏の私的な意見を少々書きたいと思います。
ご存じの通り、この映画は東本昌平氏のマンガを原作としています。
小説やマンガなど原作があるものを映像化するのは、かなり難しい作業であると思います。ましてそれが人気作である場合、読者個々が持つイメージがある程度完成されているためか、制作側がファンを意識しすぎてバランスを崩し、映画(映像作品)として成り立たないケースが多々あると感じています。もちろん成功例はありますが、それは制作者が「原作と映像作品は別物という認識」そして「原作をベースにするが、独自の解釈のもと再構築する」という強い意識を持つ必要があるということです。
S氏はSFファンを自称しています。SF映画の金字塔として名高い「2001年宇宙の旅」を見た原作者アーサー・C・クラークが、監督であるスタンリー・
キューブリックを批判したという記事を読んだことがあります。クラークが意図した内容が映画に反映されていなかったことが原因とされていますが、もしかするとクラークは「最大の賛辞」としてそう述べたのかもしれません。
原作者が亡くなった後、公開された「ブレードランナー」も、作者フィリップ・K・ディックが見ていたならば、同じ事を監督のリドリー・スコットに言ったかもしれません。どちらの映画も現在までコアなファンが多いことは、ご承知の通りかと思います。
映画「キリン POINT OF NO−RETURN」は、マンガ原作であることを抜きにして、一本の映画として完成された形で出来あがっています。原作を知っている方、バイク乗りの方はもちろん、原作を読んでいない、バイクを知らない一般の皆さんが見ても、とても面白く感じると思います。
原作のファンにとっては全体のストーリーはもとより、「あのシーン」は、「あの台詞」は、どう表現されているのだろうか気になることかと思います。大鶴 義丹監督は、これらの“取捨選択”をキッチリと行い、更にオリジナルな部分を違和感なく加え、全体をバランス良く整えることに成功しています。この作業は、そうとうなプレッシャーがあったと思いますが・・・。
そして役者陣もそれに充分応えており、映画が進む中で「キリン=真木 蔵人」を素直に受け入れることができます(他のキャストも同様です)。
当然、
GSX1100S KATANA、GPZ900R Ninja、CB1100R、といった原作でおなじみのバイク達が大画面で迫力の疾走シーンを展開するのも、この映画の魅力であるのは間違いないこと。
しかし、それ以上に
S氏は、この映画が「バイクに乗ることの楽しみ、喜び、悲しみ、そしてその意味」を良く表現しており、それに共感することができたことを嬉しく思いました。これは近年まれに見ることです。
繰り返し言います。
大鶴 義丹監督作品、映画「キリン POINT OF NO−RETURN」は、かなり良い映画です。
そして原作者 東本氏は言うかもしれません。
「“映画のキリン”は、俺のマンガの“キリン”じゃ無い。」と、・・・。
<若干の留意点>
S氏は、仕事帰りに池袋で見ました。「池袋シネマ・ロサ」は、入れ替え制の全席自由席となっています。上映時間10分前開場なので、良い席を確保したい場合は、早目に来館されることをお勧めします。また
R15指定ではないのですが、それなりのシーンが何箇所かあり、小学生以下のお子様同伴は避けた方が良いと思います。