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THE BMW PERFORMANCE 王道3シリーズからブランドの魅力を探る  2008年02月25日(月)
セダンのエントリーモデルである3シリーズ
400万円からという、まごうかたなき高級車が
去年、日本で2番目に売れた輸入車だった事実
なぜ人はBMWを愛してやまないのか


運転する楽しさを提供するそれがBMWの存在意義

 クルマに対する思いは、人それぞれに異なる。人によってはクルマが単なる移動手段となったり、あるいは仕事の道具となったりする場合もある。もちろん、クルマの価値はそれだけではない。クルマに対する思い入れが深い人ほど、運転すること自体に価値を見出しているに違いない。そうした人が少なくないだろうし、運転が楽しめるクルマに興味を抱くはずだ。
 なかでも、BMWは運転する楽しさを提供するために存在するクルマといっても過言ではない。大げさではなく、クルマを単なる移動手段と考えていた人でさえ、運転の楽しさに目覚めさせる力を持っている。他のメーカーにも、運転が楽しめるクルマはある。だが、BMWは楽しめるというよりも、楽しませ方が巧みなのだ。だからこそ、BMWは人々を魅了してやまない。
 では、どのようにしてBMWは運転を楽しませているのだろうか。その出発点は、BMWが駆動方式にFRを採用すること。ただ、FRを採用すればいいという訳ではない。運転の楽しさにこだわりFRの特徴を最大限に生かしてきたからこそ得られたBMWならではの価値なのだ。
 そのこだわりは、BMWの主力モデルとなる3シリーズの変遷を振り返れば確かめられる。そもそも、FRを採用することで、タイヤの役割分担が明らかになる。フロントは曲がり止まるため、リアは走るためのグリップを主に担うことになるからだ。なおかつ、パッケージングの革新につながる。それを実現したのが 2世代前の3シリーズであるE36型だ。それ以前のFRは、3世代前のE30型を含めFFと比べてスペース効率が悪かった。それだけに、ミドルクラス以下のクルマのほとんどが、FRからFFへと駆動方式を変更。だが、BMWは運転の楽しさにこだわりFRを守った。
 さらに、FRのパッケージングを見直し、E36型でボディ全長に対してホイールベースを最大限に伸ばしたのだ。その結果、FRのスペース効率は大幅に改善された。実際に、E36型は当時の同クラスのFF車と比べても勝るとも劣らない居住性を獲得。だが、それはBMWにとっては付加価値にすぎなかった。ロングホイールベース化により、フロント
の車軸が前寄りになり、相対的にエンジンの搭載位置が後退。エンジンやトランスミッションなどの重量物の搭載位置が重心に近づき、このときBMWは前後重量配分50対50を実現したのである。
 前後重量配分の最適化は、フロントの荷重が少なくなるので慣性力を低減し操縦性の向上に結びつく。しかも、FRはフロントのタイヤが走るためのグリップ力を担う必要がないので、相乗効果をもたらしたわけだ。ただ、フロントの荷重が減ると安定性が損なわれかねない。だが、BMWはそんな一般論さえ問題としなかった。なぜかといえば、前後重量配分の最適化はロングホイールベース化が前提であり、それは安定性の向上にも役立つからだ。
 とはいうものの、ロングホイールベース化をするとタイヤがボディの4隅に配置されることになる。つまり、ボディに対する入力点が重心から離れてしまう。したがって、ねじれや曲げに対しては不利になる。それを補うために、BMWは極めて高いボディ剛性をE36型に与えた。そのボディが、ステアリングやアクセル操作などに対するクルマの反応をドライバーに正確に伝える素晴らしい媒体となり、運転の楽しさを際立たることが可能となったのだ。
 そして、3シリーズはプレミアム系Dセグメントのリーダーとして進化を続け、現行モデルのE90型に至る。その間、歴代3シリーズは世界中のクルマからベンチマークとして位置づけられてきた。なぜかと言えば、各時代においてクルマとしての完成型に達していたからだ。それを証明するかのように、近年になってプレミアム系のライバルが前後重量配分の最適化に取り組むようになってきた。それを実現しなければ、BMWのような運転の楽しさが得られないことにようやく気づいたのだ。

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