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【バイヤーズファイル】メルセデス・ベンツ SLクラス  2008年03月10日(月)
「伝統と格式」が紡ぎ出す品格の高級パーソナルカー

「ブランド」という言葉が多量に消費される昨今ゆえ、プレミアムクラスを
勝ち抜くためには、名実ともに優れた本物であることが強く求められている
このSLこそ、まさしく真の価値を持つプレミアムスポーツの大本命だ


ルックスも、走りも優美な第5世代SL
 近年のクルマ界はプレミアムカーが花盛り。その中には、エレガントさやスポーティさを全身でアピールするオープントップ形式のボディを採用するモデルも少なくない。パーソナルカーの分野でも、競争は熾烈さを増すばかりだ。
 しかし、ブランド力や認知度の面で重要なポイントとなる歴史に注目すれば、ライバルを完全に引き離しているのはメルセデスSL。なんと、初代W198がデビューしたのは1954年で、ガルウイング(クーペ)からロードスターに転身した57年を起点としてもすでに50年の歴史を有するのだから、ハッキリ言って格が違う。
 まさに「継続は力なり」。現行R230は第5世代にあたるが、富と名声の象徴として、いつの時代も憧れを一身に集めてきたのがメルセデスSL。代を重ねることで、高級パーソナルカー界での存在感をさらに強固にしてきた。ちなみに、“SL”の名称は超軽量を意味する「Super Leicht」に由来するが、2代目W113以降のモデルには「Sport Luxury」の表現のほうがピタリとはまる。
 オープン2シーターのロードスターでありながら、走りの性能に特化することなく、ラグジュアリー性や快適性にもこだわってきたことが、メルセデスSLの成功の要因と言っていい。内外装もスポーツ性を全面に出すのではなく、高級パーソナルカーらしい上質でエレガントな仕立てとしている。
 そうしたSLの魅力は、R129からR230へのモデルチェンジでさらに強化された。まずはスタイル。楕円形ツインヘッドライトを採用するマスクは、スポーティさとエレガントさをほどよくミックスしたもので、ボディライン全体も美しく、そしてセクシー。前後スポイラーとサイドスカートで構成されるAMG スタイリングパッケージを装着したモデルでも、見た目の印象がとんがりすぎることはなく、メルセデスSLに求められる品格をきちんと保つ。
 そして機能面から見れば、大きな変革をもたらしたのはバリオルーフの採用。従来のSLは、ハードトップの脱着がめんどうなばかりに「つけっぱなし」の例が少なくなかったが、5代目はスイッチ1つでクーペからロードスターに変身することが可能。オープンエアクルーズの爽快さや楽しさを、手軽に享受できるようになった。
 なお、04年モデルでの7G-トロニックの導入、07年モデルでのフェイスリフトなど、導入以来度重なる改良を実施してきたが、伝統的にSLのモデルサイクルはセダン系より長期。R230もその通例にたがわず再度の改良を行う予定で、次期型はCLS風の精悍なマスクに変身すると言われている。そうなれば当然、6.2L V8を積む“SL63AMG”も登場するはずで、まだまだ楽しみが尽きることはない。

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