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アラウンド・ザ・セダン  2008年06月05日(木)


アメ車のイメージを覆すバランスの取れた高性能

クルマの走りの評価は相も変わらず欧高米低。アメリカ車というだけで「走りのスポーティさや上質感は期待薄」と決めつける人が多い。たしかにひと昔前までは、少しコーナーを攻めただけでふらついたり、高速で飛ばすと、とたんに動きがふわついてくる車が少なくなかった。

しかし、日欧のブランドに攻め込まれ、本国でもその地位が脅かされるようになり、アメリカのセダンも「変わらなきゃ」という意識を強く持つようになった。その代表例は、FF路線に別れを告げ、再び主力セダンにFRの駆動方式を展開するようになったキャデラックだ。

レースに積極的に参戦したり、高性能車開発の聖地といえるニュルブルクリンクでの入念なテストを行ったりと、近年のキャデラックは目に見えるカタチで変貌を遂げた。

今回は最新版のCTSを紹介することにしよう。革新のスモール・キャデラックとして、大きな期待を背負って登場したCTSだが、初代はデザインも、質感も、走りも荒削りの印象。「これではまだ日欧のプレミアムセダンとは勝負できない」というのが偽らざる感想だった。だが、2代目は完全にひと皮むけた感じ。

とくにセンセーショナルなのは、新開発の直噴V6を積む「3.6」のスポーティな走りだ。まずは動力性能。311馬力/38・1kgmの高性能を誇る心臓は、許容回転数の7000を軽々と極めるほど威勢がいい。0→60マイル(約97km/h)を6秒以下で駆け抜け、最高速は240km/h以上に達するのだから、「アメ車なんて」、「しかもV6でしょ」となめていた人はかなり驚くのでは!?

しかも、たんなる直線番長ではない。高速域では掌に伝わる感触や挙動から高度なスタビリティを実感でき、コーナーでも自然かつ正確な反応を示すから、どんなシチュエーションでも密なスポーツドライビングを楽しむことができるのだ。「アメ車=大味」の既成概念は、新型CTSの走りにはあてはまらない。

グッと滑らかかつ上質になったエンジンフィール、洗練度の高い6速AT、信頼できるブレーキも魅力で、トータルバランスの面から見ても実力は高い。また、適度に引き締められた足と235/50ZR18サイズのサマータイヤが伝える乗り心地はハードめだが、低速でも不快感を伴うほどではなく、スポーツセダンとしては快適性も納得の仕上がりだ。

なお、撮影車の「2.8」は235/50R17のオールシーズンタイヤを履くことからもわかるように、足は「3.6」と比べてグッとマイルドな味付け。ユルッとしたアメ車伝統の走り味を好むなら「2.8」が適任だろう。逆に、最高の性能と刺激的走り味を求めるなら09年モデルで投入のCTS-Vに注目。過給機付き6.2LV8は558馬力/76・0kgmを発生。メルセデスC 63 AMGもたじろぐ豪快な走りを堪能させてくれるはずだ。



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