メルセデスベンツ CLKクラス
速すぎない、鋭すぎない動きが心地いいクルマ
オープントップを持つモデルは、走りに関して不利な要素を抱え込んでいる。代表はボディ剛性の不足。が、CLK350カブリオレがオープンであることを意識させるのは、荒れた路面を低速で走る時ぐらい。そうした場面ではさすがにコツコツくる突き上げや、ブルブルする揺すられ感を完全に抑えきれてはいないが、ほかの場面ではボディとサスの十分なしっかり感が伝わってくる。
高速域での高度なスタビリティはもちろん、ワインディングをハイペースで駆け抜けるシーンでも、正確なハンドリングと高い限界性能を提供してくれるのだから、エレガントなルックスから想像するよりはるかにスポーティ度が高い。272馬力の3.5L V6と7G-トロニックの能力をフルに発揮させる状況でも、音を上げたりはしないわけだ。
でも、より以上に光るのは、ひと回り大きく重いボディを持つクルマのような挙動の落ち着き。ダイレクトコントロール採用後のモデルも、必要以上に足を締め上げることはなく、サスストロークは自然かつしなやかな印象。それが、安心感につながるナチュラルな応答性と、快適な乗り心地を生むカギになっている。
右足に力を込めれば、CLK350は鋭く、パワフルな加速を披露するが、パワートレーンも高性能をひけらかすタイプではなく、ゆったりクルーズで真価を発揮する味付け。すべてのリズムが「リニア」、「穏やか」の方向で一致しているから、自然とリラックス気分でのドライビングが楽しめる。大人のクーペのお手本といえるチューニングだ。
前期型と比べて、ステアリング中立からの操舵のつながりがスムーズになり、乗り心地のフラット感やロードノイズの遮断が改善されたのも見逃せないところ。最新型に乗ると、CLKの熟成が深く実感できる。
また、厚さ20oの3層構造を採用するソフトトップは、遮音性、遮熱性に優れているのが特徴。高速の追い越し車線をリードする速度で走っていても、「ザーッ」という風のざわつきが耳につかないのだから大したもの。センターコンソールのスイッチ操作1つで、約20秒でトップの格納を完了することが可能だ。
オープンにしても排気音が主張しすぎることはなくエレガントかつ快適な走行フィールはそのまま。風が身体をなでる感覚もやさしく、CLKカブリオレは贅沢なオープンエアモータリングを満喫させてくれる。
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