「ベーシック」の概念が大きく変わる…
各メーカーがレベルアップを図る大激戦区Cセグメント
ここでも定番ゴルフはやっぱり強かった
■08年モデル VWゴルフ TSIトレンドライン(7AT)
●全長×全幅×全高:4205×1760×1520mm
●ホイールベース:2575mm
●トレッド前/後:1540/1515o
●車両重量:1310kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●総排気量:1389cc
●最高出力:122ps/5000rpm
●最大トルク:20.4kgm/1500〜4000rpm
●サスペンション前/後:ストラット/4リンク
●ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
●タイヤサイズ前/後:195/65 R15
●新車価格:248万円
Cセグメントは「ワザありベーシック」の時代に
VWゴルフに代表されるCセグメントのハッチバックは、かつてベーシックな実用車の典型でした。全長4mを切る大きすぎないサイズのボディに、4人を前後にきっちり座らせる。エンジンもサスペンションも、惚れ惚れするような美味はないけれど、低速から高速までしっかり仕事をする地力は怠りなく備えていて、じつに質実剛健。日々の実用から高速移動まで、人々の「必要」にきっちり応えて過不足ない、それこそ「実用車の鑑」であり「これぞベーシック」だったのです。
そういうわけですから、我々は「とにかくシッカリしたクルマがソコソコの予算で欲しい」となれば、真っ先にCセグメントを思い浮かべたものです。
ところが、21世紀を迎えたころを境に、このCセグメントが様子を変えてきました。もっと正確にいえば、Cセグメントの「ベーシックとしてのあり方」が変わってきたのです。
その発端は、まず車体が大きくなったことでしょう。ご存知のように欧州車は、このところ車体をどんどん大きくしてきていて、Cセグメントは現行の世代でついに全長4.2m×全幅1.8mの世界に突入してきました。こりゃもう、ひと昔前のベンツEクラスあたりの、トランクを切り捨てた状態の大きさです。日本では古い5ナンバー格の駐車場では困るくらいになった。
こうなると、少なくともサイズの面では「必要最小限」とは言えなくなります。そういう役目は、下のBセグメントの担当となり、Cは大きいなりの「何か」を持たないと商品として成立しなくなるわけです。
そこで各社は、それぞれにプラスアルファの何かをCセグメントに投入するようになった。例えばアシです。これまでのCのリヤサスは、簡便なトーションビーム一辺倒だったのですが、マルチリンクを奢るものが出てきた。またエンジンも普通の自然吸気4気筒とかじゃなく、高級技術でワザをかけるようになった。まっとうな居住空間と必要十分な走りの性能だけじゃなく、それ以上のところで勝負するようになったわけです。
そのトレンドの先頭を走るクルマが現行の5代目ゴルフです。ゴルフは、先代で当時のフォード・フォーカスに負けた悔しさをバネに、リヤサスにマルチリンクを投入。こうしてシャシー側に余裕を持たせた上で、エンジン駆動系に、これでもかの技術投入をした。まず直噴化。さらには、そこにターボをかけ、果てはスーパーチャージャーまで仕込んで2段過給。トランスミッションも、DSGで自動MTの最先端に躍り出る。V6+4駆という強烈バージョンも加えた。そんなゴルフに対抗して、フォーカスは5気筒を積んでくるし、プジョーの最新作308はBMWと共同開発の直噴ターボで勝負してきています。
昔なら、こういう高級技術は特殊なバージョンにのみ用いられるものでした。ところが現在のCセグメントでは、普通のグレードにすべからくこういうワザが掛かっている。そして値段も、とりたてて高くはない。つまり高級ワザがもれなくついてくるベーシック。欧州Cセグメントは、そういう「ベーシックのあり方」の新時代に突入したのです。
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