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アウディ A4アバント 試乗レポート  2008年09月09日(火)

すべての項目でクラスのトップレベルに到達した

アウディの戦略車種であるA4のさらに約半数の販売比率を占める重要モデルだけあり、力の入った内容を見せるA4アバント。新型は持ち前のスタイリッシュさに加え、内容面でも大きな躍進を見せた。


 ライバルBMW3シリーズやメルセデスCクラスに対するアウディA4の優位性は、もしかしたらこのアバントかもしれない。どちらもツーリングとワゴンを有するが、やはりセダンありきというポジションは変わらない。が、ことA4にかぎって、アバントは販売上の重要なカギとなる。事実、日本でもその販売比率はセダンとアバントで半々となり、ほかの国においてはアバントが上まわることも珍しくない。とすると、この新型がどれだけの仕上がりをしているか興味が募る……。

 そんなA4アバントを目の前にしてまず感じたのは、かねてから定評あるスタイリングがよりスタイリッシュになったことだ。後ろにいくにつれて絞り込まれるルーフラインやキャラクターラインが、従来よりも滑らかに、そして美しく見える。

 で、よくよく考えてみると、新型A4自体のボディサイズが上がっていることを思い出した。ホイールベースが延び、それに合わせて全長も増えている。その恩恵がこのアバントでうまく活かされたのだ。全体のボリュームが上がった分、伸びやかなラインを描く。

 では、走りはどうか? 

 A4アバントのエンジンは2種類で、1.8L直4の直噴ターボと3.2LV6直噴が用意される。最高出力は前者が160馬力、後者が265馬力。ただ、あらかじめ明確にしておかなくてはならないが、この4気筒は実際にデリバリーされるものとは違う。アウディは毎年夏以降に翌年のモデルにスイッチする。つまり、みなさんの手に届くアバントは09年モデルとなり、試乗した08年モデル用エンジンよりも燃費の向上とCO2排出量の低減を実現しているのだ。

 それはともかく、走行性能やパワーの出方は変わらないことからレポートすると、このユニットはターボの恩恵をうまく利用し数値以上に速さを感じさせる。1500回転という低い領域から最大トルクを発揮するため、排気量からくるイメージをいい意味で裏切るのだ。それにFF特有のトルクステアもうまく消されている。足のセッティングを含め、"抜け目なし"といった印象だ。

 ただ、個人的にはステアリングがクイックすぎて落ち着きに欠けることとマルチトロニックの盛り上がりに欠ける加速感が少々気になった。使いやすさという面ではどちらも不満はないのだが、スポーティな走りを期待すると、リニアな加速感という視点ではなにかしらの味付けがほしくなる。

 その点で、思わずうなずきたくなるのがV6モデルである。パワーの出方もそうだし、6速ティプトロニックの操作性やレスポンスもスポーツマインドを満たしてくれる。「アウディ・ドライブセレクト」(オプション)とのマッチングもよく、“ダイナミック”の足はカーゴルームを背負っていることすら忘れさせてくれる。

 ちなみに、V6はクワトロのみとなり、セダン同様F40対R60のトルク配分となる。今回の試乗ではそのパフォーマンスを引き出すまでの走りはできなかったが、FFの軽快さとは異なるしっとりした走りを見せてくれた。

 ところでアバントの目玉であるカーゴだが、こちらも当然従来よりもスペースが広がり実用性を高めている。リヤサスの出っ張りはほとんどなく、スペースいっぱいに有効利用可能だ。要するに、もはやスタイル優先のアバントではない。スタイリング/走り/カーゴの実用性、3つの項目でクラストップレベルに到達しているのだ。



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