●カーナビは目的地までの案内をするだけでなく、地上波デジタル放送の受信など、カーエンターテインメントの要素を盛り込むことで、車内を楽しめる空間として演出するアイテムとしても重要なアイテムとなった。同時にオペレーターによる情報の案内や、さらには他車の軌跡を情報として活用することによって、精度を向上させるなどの新しい動きが出てきた。
今回は、そうしたカーナビの新潮流をチェックし、その将来像を見据えてみたい。
■ユーザー同士で情報を共有するカーナビへ
紙の地図から画面で見る地図へと、カーナビの登場によってドライブのアシスタンスは大きな変革を経てきたが、次世代の最新カーナビは他のドライバーが残した記録を元に、新たな情報を構築して共有するという動きを見せている。
その代表格と言えるのが、
ホンダ・インターナビ フローティングカーシステム(以下、インターナビ)と
カロッツェリア・サイバーナビ スマートループ(以下、スマートループ)だ。
どちらも他車の移動情報をベースに、渋滞などの情報をアップデートしていくようになっており、従来の地図情報の利用とは全く性質が異なるものになっている。
▲カロッツェリア・サイバーナビ「AVIC-VH099G」。 希望小売価格:388,500円(税込) |
▲ホンダ・インターナビ「VXH-083CVi」 希望小売価格:246,750円(税込) |
■VICS情報を補完するインターナビとスマートループ
多くのカーナビで利用できる渋滞情報はVICSを利用しているが、VICSは高速道路や主要な幹線道路の情報しか配信していない。
最近登場したカーナビはこれに加えてさらにきめ細かい道路情報を独自で配信し、VICSを補完する。
VICSが配信する全距離は公開されていないが、
ホンダによると全長で4万2000km程度、パイオニアでは約7万km程度としている。
ホンダのインターナビが配信する全距離はVICSを含め35万6000km、パイオニアのスマートループは約33万km。ここに含まれるVICSの距離を差し引くと、それぞれ31万4000km、約26万km分の情報を配信していることになる。
| サービス名 |
搭載車 |
カバーする総距離 |
共有情報の活用 |
| ホンダ・インターナビ フローティングカーシステム |
対応カーナビを搭載したホンダ車 |
約35万6000km (含VICS4万2,000km) |
・渋滞情報/予測/回避ルート |
| パイオニア・カロッツェリア サイバーナビ スマートループ |
対応カーナビを搭載したクルマ |
約33万km
(含VICS7万km) |
・渋滞情報/予測/回避ルート
・駐車場入口位置
・地点情報 |
VICS区間以外の情報を提供するのは、実はそれぞれのカーナビ自身だ。渋滞情報を受信すると同時に走行履歴や速度をセンターに送信、センターはこれらを基に渋滞情報を作成しカーナビに送信する。このため、VICS情報はラジオと同じFM電波で受信できるが、それ以外は携帯電話などを利用する必要がある。
配信される情報距離が広がると単に多くの渋滞情報を受信されるだけではない。例えば
ある幹線道路が渋滞していても、その側を通る裏道が空いている情報があれば、ナビはクルマをその道に誘導できるのだ。
▲インターナビ フローティングカーシステムによる、渋滞回避イメージ。